お祭り当日。
美鈴ちゃんに着付けしてもらって、
髪もメイクもバッチリ決めた。
嫌いな笑顔じゃなくてほっとした。
普通に話せば、
良い人かも…
なんて思いながらみんなの元に行った。
お祭りではたくさんの人がいて、
ものすごく盛り上がっていた。
みんなの前でくるって回ってみせた。
ルンルンの美鈴ちゃん。
トミーは見てるのかな…
トミーの方を見ると目が合ってしまった。
そしてそらされた。
カンタが隣でぼそっと言ってきた。
なんだかモヤモヤしながら
屋台がある道をみんなで歩く。
珍しくカンタの腕を引っ張って、
たこ焼きを買いに行った。
ふと耳元で言われてドキッとする。
真っ赤になりながら言うその言葉は、
何よりも嬉しくて、
こっちまで赤くなった。
黙って頷き、
みんなの後ろを歩いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!