退屈だった。何もかも。
同じ時間に学校に行って、
面白味もない授業を受けて、
その上、テストだとか行事だとか面倒臭いことが重なるんだから、人生楽しいもんじゃない。
そんな嫌気のさした僕の生活をほんの少しだけ変えたのが、
ダンス部の可愛い子
だった。
目立つ存在の彼女は、見かけた時はいつも笑顔。
ステージに立つとさらにキラキラしている。
単純に、この子の人生楽しそうだと思った。
たまに周りのどさくさに紛れて、
「ファンです」
って言ってみたりなんかしてたら、こんな情報が回ってきた。
「彼女、入院したらしいよ」
僕は気になって、病院へ行った。
不思議そうな顔したが、優しいから彼女は僕を受け入れてくれた。
そりゃあそうだ、大して仲良かったわけでもないのに、突然お見舞いだなんて。
それから、なんだかんだ、話すようになって。
それが楽しくて。
通いつめた。
でも、彼女は重い病気にかかっていた。
それを知って怖くなった。
怖くなって、離れた。
彼女から。
僕から近づいておきながら、僕から離れたんだ。
それでもう、僕の人生どうでも良くなった。
なんなら、僕の人生、彼女にあげたかった。
そんな時だ、僕の目の前に突然現れたんだ。
___「余命宣告された人、集まりませんか。」
ほんの、興味本位だった。
そのルームに入ったのは。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。