第53話

兄弟の時間
121
2022/01/20 03:36
ゼータ
ゼータ
〈…光…。〉
光
〈やっぱり!〉
ゼータ
ゼータ
〈何の用だ。〉
光
〈……。〉
ゼータ
ゼータ
〈用がないのなら切るぞ。〉
光
〈ま、待って!…止めたいんだ…君を…。〉
ゼータ
ゼータ
〈これは俺の問題だ、お前が関わることはない。〉
光
(嫌だよ!…せっかく会えたのに…。〉
ゼータ
ゼータ
〈死者に何を求める!〉
光
〈っ…!〉
ゼータの声はあの日々の兄の声とは思えなかった。
ゼータ
ゼータ
〈…切るぞ。〉
光
〈…嫌だ…お願い…切らないで…。〉
ゼータ
ゼータ
〈光…お前は…。〉
光
〈ねえ、戻ってきてよ。このまま別れるなんてやだよ。〉
ゼータ
ゼータ
〈ならば誰が核を止める。このまま世界を見捨てるのか?!〉
光
〈別に方法があるはず…。〉
ゼータ
ゼータ
〈そんなもの、探している暇はない。〉
光
〈嫌だ…。〉
ゼータ
ゼータ
〈わがまま言うな。〉
光
〈二度も兄弟を見捨てられないよ!お願い…考え直して…。〉
ゼータ
ゼータ
〈……。〉
ゼータ
ゼータ
〈いいか、光。これは俺が…一星充が決めたことなんだ。〉
光
〈でも…。〉
ゼータ
ゼータ
〈光、お前も知っていると思うが、俺のこの体は借りた物なんだ。だから持ち主に返さないといけない。〉
光
〈姿とか関係ないよ…もう…1人にしないで…。〉
ゼータ
ゼータ
〈……。〉
光
〈だって、俺達は、「2人で1人のチーム」なんでしょ?だから…帰ってきてよっ、兄ちゃんっ!!〉
ゼータ
ゼータ
〈………。〉
ゼータ
ゼータ
〈光。お前はもう、1人じゃない。〉
光
〈っ……。〉
ゼータの声が、昔の兄の声に感じた。
ゼータ
ゼータ
〈お前には、ちゃんと居場所があるじゃないか。俺はその居場所を守りたい。〉
ゼータ
ゼータ
〈光、兄ちゃんの気持ち、理解してくれるな…?〉
光
〈……うん…。わかったよ……。〉
ゼータ
ゼータ
〈ありがとう。光、大好きだ。〉
光
〈バイバイ…最低で、最高な兄ちゃん…。〉
ブツン…

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