〜番外編・花咲病〜
花咲病…突如体から花が咲く。
やがて、花に体を覆い尽くされる。
花に栄養を取られるため、体は干からびる。
今私は、病院に居て入院している。
何故って?
花咲病を発症してしまったから。
珍しい病気なのです。
体から花が咲いて、花に栄養を吸い取られていて
前みたいに激しい運動をするとすぐ栄養不良で倒れてしまうので
運動が制限されてる。
これ、私にとって本当やばいこと(?)
私のストレス発散が、運動だったから、
今、ストレスが溜まりに溜まっている。
あ、でもね、最近新しいのを見つけた。
泣いたら結構楽になる。
てか、勝手に出てくる。
夜空を見ながら色々考えてると、出てくる。
辛いよね、病気。
そう、みんな働き始めた。
私が会社をやめて生活できなくなったのと、
入院費や、なんやらで沢山お金が必要になるから。
迷惑かけてばっかだなぁ、
みんな綺麗綺麗って、言うけどどこが綺麗なんだろ。
人の栄養を奪って咲いてきた花。
綺麗なわけがない。
皆、お世辞を言い過ぎだ。
また、孤独な夜がやってきた。
この時間は色々なことを考えてしまう。
私がいなくなった後の兄は、どうするのだろうとか。
私はいつ死ぬのだろうか。
最後は、おばあちゃんみたいにしわしわになって死ぬのか。
それだったら、このまま死にたいな。
病気になってから、ネガティブになったと思う。
病気の時こそ明るくならないといけないのになぁ。
すると、スマホから音が鳴る。
スマホを見ると、グループライフの知らせだった(?)
こう言うのって、元気をもらうから本当助かる。
まぁ、こんな日が続くわけもなく、
花が咲く量が増え、栄養は吸い取られて行く毎日が続き
医師にもう長くはないでしょうと余命宣告されてしまった。
短すぎる人生だね。
やりたいこといっぱいあったのに、やりきれなかった。
最近は、みんなが揃って病室に来るようになった。
でも、私は眠気が凄いので来た時は寝ていることが多い。
丁度私が起きたタイミングで、兄たちが入ってきた。
久しぶりに会えた兄たちと沢山の話をしていたら
ドッと、体が重くなってまぶたが塞がっていく。
私の姿を見た、兄たちが医師を呼ぶ。
それを見て、私はもう死ぬんだなぁと思った。
どんどん下がってくるまぶたに逆らいながら、
最後の力を振り絞り声を出す。
私が、声を出すとみんながこっちを振り向く。
そして、手を握る。
その言葉を言ったら、すとっと目が閉じて深い眠りについた。
その後、白い世界に連れて行かれた。
その世界で、遠くから
『俺たちも大好き』って聞こえた気がした。
その言葉に私は涙を流した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。