第3話

可能性
33
2020/05/22 05:47
ガタタン
目の前に光景に目を疑い立ち上がってしまった。
「!…どうした?」
倉持先生が驚いた顔してこちらを見ていた。
そしてみんなもうわっははと笑った。
「…大丈夫?」
するはずのないあの人の声。
聞こえるはずがないのに、ないのに
「蒼太くん…?」
私の瞳から涙が幾度もなく流れた。
頭で考えるよりも先にただただ嬉しかった。
また、会えた。
だが、ここは教室でみんなが授業していたことに気づき、顔を林檎のように赤らめた。
涙をふき、
「すいません、」
私は席につき、考えた。
「……」
何故私はここに居るのか、
何故死んだはずの蒼太くんが居るのか、
そしてあることに私は気づいた。
今日の日付……
11月○日、?
私はここにいる理由とこの可能性を否定することが出来なかった。
蒼太くんが死ぬ1週間前、
もし、これが現実ならば、
「蒼太くんを助けられる……」

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