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第1話

ープロローグ。ー
2,874
2021/03/25 11:00





私には、妹がいる。
頭も良く、運動も得意でクラスでも人気者で生徒会にも所属していて…。
それに比べ姉である私は、なんの取り柄があるのだと言うのだろう。
小・中学校の頃は虐められ勉強もできない、運動神経もとびきりいい訳でもない。
いつも褒められるのは、妹の深唯奈。
名前まで可愛い。
私の名前は弥与唯。
三月生まれで弥与唯。
安直な考え。

いつも比べられていた。
近所の人にも同級生にも学校の先生にも。
「妹さん偉いわね」って。
その言葉が私の全てを否定しているように感じた。
毎日毎日、人の顔色を伺いながら作り笑いを浮かべてご機嫌取り。
大丈夫だよ、傷ついてないよって気を使って。
そして一人、プレッシャーとストレスに押し潰されて…。
とっくに限界はきていた。
悲しくもないのに涙が溢れて止まらなかったり、死にすら興味を感じていた。
いつ死ねるんだろうと…。

もういい。
もう嫌だ。

疲れたんだよ…。

「ごめんなさい、弱くて。さよならっ…_」


この日、私は自ら死を望んだ。
未練なんて何一つとしてなかった。

ここにいるより、この世にいるより死んで地獄にでも落ちた方が楽だと思ったから。

何もかも消してくれると思っていた。

消えて欲しいと願っていた。



「そんな時、みんなに出会った。死んでからできた友達と。」

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