第6話

温もりが消えていく
2,667
2021/02/05 09:52
司のお母さんが部屋に入ってくる。
あなたの下の名前くんじゃない…久しぶりね。戻ってきたの?
(なまえ)
あなた
まぁ一応
(なまえ)
あなた
転校先がこっちだとは思ってはなかったんすけど
こんな大きくなって……って私ったらおばさんみたいね
今日はいいけど…男子高校生だとはいえあまり夜に外出しない事。夕飯前には帰りなさいよ
(なまえ)
あなた
はーい
(なまえ)
あなた
んじゃ帰ります
そう言って放り出していた鞄を取り,司の部屋を出る。
またいつでも来てね~
青木 司
青木 司
んじゃまた明日学校で
(なまえ)
あなた
司もまた明日
そう言って司の家に背を向け歩き出す。
司のお母さんは数年経ってもまだまだ現役なようで久しぶりに会っても昔のままだった。
司はー…昔やんちゃな方だったっけ。
数年経った今じゃすましちゃってさぁ…
絶対あいつ自分の魅せ方分かってるんだろうな
………
あいつが今までそう気付きながら行動してたの腹立つな…
(なまえ)
あなた
明日1発入れよっと
(なまえ)
あなた
その為には…飯買わなきゃか
近くにコンビニとかあんのかなぁ
そんなことを考えながら昨日引っ越してきたマンションへの道を歩く。
(なまえ)
あなた
…あ
(なまえ)
あなた
マンションの目の前にコンビニあるじゃん
住んでいるマンションが見えてきたと同時にコンビニが見えてきて思い出した。


何故か大切な事を忘れていてそれを思い出した時のような謎の感動を感じる。
(なまえ)
あなた
…明日の分も買っとくか
テレビで聞きなれた入店音をBGMに店に入った。
夕方だからだろうか。
マンションの前とはいえ意外にも人が多く酔いそうな程だった。
パンやご飯の商品棚を横目に栄養食の置いてある場所を探す。
(なまえ)
あなた
プレーンでいっか
カロリーメイトのプレーンを2箱手に取り今度は飲み物の棚へ向かう。
モンスターを3本程適当に手に取り会計へ向かった。
買い物を済ませ店を出ようとした時
あっ…あなたの下の名前……先輩
名前を呼ばれたみたいだったが下手に振り返って絡まれても困る。
何故か既視感のある声…体全体でこいつを拒んでいるような寒気に襲われる。
俺の中には憎しみや嫌悪感で埋まっていた。
(なまえ)
あなた
…あ゛?
急に怖くなって相手を警戒させるような声を出して後ろを振り返る。
するとそこに立っていたのは
安藤 凜々
安藤 凜々
あ…
‘安藤 凜々’だった。
違う
あいつでは無い。
あいつはもう部外者だ。
違う
絶対に
(なまえ)
あなた
違う…
そう思っても雰囲気やオーラはあいつそのもので
あいつだと思ったら平常心なんて保てなくて
(なまえ)
あなた
あ…,ごめ…
(なまえ)
あなた
また…あ,したな
震える喉を収まらせるように片言になりながら話しかける。
今話しかけるタイミングでは無いと知らせる為に。
安藤 凜々
安藤 凜々
あっ…はい,!!!
安藤 凜々
安藤 凜々
また明日!
俺の言いたいことが伝わったのか少し後ろへ引き下がった後挨拶をして帰って行った___


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2/5 訂正

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