やっとの事で前を歩いている司に追い付く。
…聞く耳持ってねぇなこいつ
司は遂に1人の…1年だろうか?女子に後ろから声を掛けられていた。
あいつ話しかけられないようにすげぇ小さい声で返しやがった
あまり話したくなさそうな表情で後ろを振り返っていた。
司が意外な反応を示した事に驚く。
こいつが認知してる子も居たのか…(震え)
一言発しただけでヒロイン的な存在だと分かる。
…がなんか存在感に違和感があるような気がする
まるで昔から知ってるような…
でも俺に安藤凜々なんて知り合いは居ない。
気の所為だと…思う
司はその一言を発してから何も喋らない
安藤も喋らない
俺は…どうすればいいんだ???
とりあえず要らないと言われそうな助け舟でも出しておこう
いや周りも話してたし俺のフルネーム知って驚くようなこともないだろ(
周りに聞こえてないって思ってんだろうな
そんな会話をして数分後
俺らは生徒1人も居ない道まで帰ってきていた。
俺が久しぶりに真面目な口ぶりで話しかけたからだろうか。
いつもはふざけた口調で返答してくる司の姿は無く,何を聞かれるのか分かってそうな顔つきだった。
そう返す司の顔はどこか懐かしく儚げなものに見えた。
しばらく無言のまま歩き,司の家に着く。
結構懐かしいなこれ…
そんなことを考えながら家におじゃましそのまま司の部屋に入る。
荷物を適当に投げ置き適当に座った。
着替えながらじゃなくて座って聞けよ((
だからあの時こいつは安藤の事覚えてたのか…
久しぶりに会えた嬉しさから俺たちは安藤の事など忘れ司のお母さんが帰ってくるまで思い出話に花を咲かせていた_____
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!