我に返ってそう聞く。
あんな重要な事言わないとか…こいつも相当だな
少し冗談めいた言葉で返す。
…?
何馬鹿な事言ってんだこいつは
なにを当たり前なことを、と思いながら言う。
それに対して司は半笑いで
と鞄を見せつけてきた。
いや、なんで??
走ってて話すのも中々面倒になってきた。
とりあえず表情だけで司に伝える
煽り方にイラッとしながらも、もう遅刻するのは決定なようで俺は立ち止まった。
そう言ってさっきのペースの2倍ほどの速さで走り出した。
少し後ろを振り返ると棒立ちの司の姿があった。
いやあいつ絶対サボろうとしてただろ(
とりあえず司の好きなようにはならなくて良かった。
…けど俺が遅刻なのは変わらない
あああもうなんて日だ(
昨日今日だけで1ヶ月過ごした気分とかありえないだろ
マンションが目前に迫ってきた時、目の前で誰かが倒れた音がした。
驚いて下を向くと…そこにはパンをくわえて涙目になりながらへたりこんでいる安藤の姿があった。
お前は少女漫画のヒロインか何かかよ…
ぶつかってしまったが、本当の事を言うとあまりこいつとは関わりたくない。
ここは可哀想だけどスルーして帰ろう
お詫びに安藤の前に1000円札を落として走り出した。
お詫びといっても俺も相手も学生で1000円なんて大金に近い
いや、大金ではないか(白目)
相手がパン食っててスマホいじってたのが悪いんだよな??俺悪くないよな??
くっそめんどくない事になりそう…
まぁ
時間はー…8時半
微妙だなおい
微妙な時間に行っても変に騒がれるだけだし、どーせなら目立たないようにいこ
そう思い俺はマンションの外へと足を踏み出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。