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第9話

853
2018/11/05 08:34
西島 隆弘
西島 隆弘
……俺もごめん
あなた

……へ?

驚いた拍子に隆弘を抱きしめる腕が緩くなる。
あなた

うわっああ!

西島 隆弘
西島 隆弘
ちょっ…おい!落ちんだろ!
隆弘が慌てて片手で私の腕を腰に巻きつけた。
あなた

ご…ごめん…

再び沈黙が続いた。と思ったら
西島 隆弘
西島 隆弘
……俺、無性にムカついてさ。
また隆弘が口を開く。
西島 隆弘
西島 隆弘
…なんか腹立ったんだよ。………お前と真司郎見てると。
あなた

え……?

西島 隆弘
西島 隆弘
…っ、ま、まぁ…そういうことだから
あなた

……うん。ありがとうね

私は、謝ってくれた(?)こと、自転車に乗せてくれたこと、そして、いつもありがとう。の意味を込めて言った。
西島 隆弘
西島 隆弘
何でありがとうなんだよ。変わってんな
あなた

別にいいでしょー。いちいちうるさいなぁ

西島 隆弘
西島 隆弘
お前の方がうるせーだろ
あなた

ほんっと、そういうこと言わなかったらイケメンなのに

西島 隆弘
西島 隆弘
俺、お前よりモテてる自信あるし
あなた

自分で言います?普通!

西島 隆弘
西島 隆弘
言いますー
あなた

うざっ

さっきまでの空気とは打って変わって、いつもの空気になった。
あなた

(やっぱ…隆弘といると楽しいな………うざいけど。)

そんなことを考えていると
西島 隆弘
西島 隆弘
でも俺さ、正直お前といるのが1番楽だよ
いつもそんなこと言わないくせに、急に言ってくる。
あなた

え?

その瞬間……今度は自転車から落ちてしまった。
あなた

いてっ!

西島 隆弘
西島 隆弘
なにしてんだよ………ほら。
そう言って隆弘は、尻もちをついている私に手を伸ばす。
あなた

…ありがとう

西島 隆弘
西島 隆弘
ん。
…で、また乗せてくれるかと思ったら、ぴゅーっと先に行こうとする。
あなた

ちょっと!乗せてよ!

西島 隆弘
西島 隆弘
もう学校目の前にあるじゃん
西島 隆弘
西島 隆弘
それに2人乗りしてたら怒られるだろ
あなた

そ、それはそうだけど…

珍しく正論を言われて、目を泳がせる。


その間に「じゃーな」と言って隆弘は先に行こうとした。


そんな隆弘の背中を
あなた

じゃあ一緒に歩いてくれたらいいじゃんかー!ケチー!

と叫びながら追いかけた。

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