「まりなぁー!!!」
やっと見つけた…
「茜ー!どうだったの!先輩と」
「どうだったってその…ほとんど話せなかった…」
「なにやってんの!!ほんとにせっかくのチャンスをさ…」
「だってしょうがないじゃん!あんなの誰だって無理だって!!!」
「無理じゃないしぃー!私だったら花火一緒に見ませんか?とか言っちゃうよー!」
「えー!!絶対言えない!!!」
「それぐらい言えなきゃ、距離縮まんないよ!茜はそれでいいの?」
「それはやだけど…」
「じゃあ、先輩探して言ってきな!!」
「えっ?!いま??」
「あったりまえ!!はやく!」
まりなが私の背中を思いっきり押す。私はバランスを崩した
転ぶ!!そう思った瞬間だった
「大丈夫?!って、茜??」
「あっありがとうござ…っ先輩??」
「ごめんなさいごめんなさい!!」
必死に頭を下げた。
「大丈夫だけどさ。茜は大丈夫??」
「あっはい…ほんとにすみませんでした!!」
「俺のことは気にしないで!」
先輩はそのまま去っていく
「茜!いまだよ!いま!」
「ぇっあっ!先輩!!あのそのー、花火!どこで見ます…か??」
「花火?あぁ、あのそこの公園だけど…」
「えっとそのぉ…一緒に見てもいいですか???」
「別に大丈夫だよ」
先輩が笑顔で答えた
「ありがとうございます!!!」
やばい。今までずっと心臓鳴りっぱなしだった…一緒に見る…か…
「茜!よかったねぇ!!!!」
「まりなぁー!!!っでもさ、まりな1人じゃん!」
「ばぁか!こっちには彼氏がいるんだよぉ!!」
「あぁ!!くそぉ!リアがぁ!!」
「はいはい!!リア充ですよぉ!」
まりなありがと。ほんとに最高の友達を持ったね。
『鳴り止まない心臓。これだけ先輩に恋してるんです…』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。