第7話

season 6
63
2018/07/25 12:59
もう人たくさんいるな…

人をかき分け前へと進む。

「まりなぁ!!あれ食べよ!!」

「食べる食べる!!!あっちも食べよ!!」

2人で屋台を転々としながらたくさんのものを口に運ぶ


途中で友達に会うたびに、写真を撮りながら、どんどん屋台を回る。




「あっ…」

「茜ー…あっ…」

2人で立ち止まってしまった…

突然止まった私たちに迷惑そうな顔をしながら人が通っていく。

「先輩だね…」

先に沈黙をやぶったのは、まりなだった。

「だね…」

その瞬間先輩と視線がぶつかった。

「あっ。」

先輩も私に気づき足を止めた。

「こうきー!おーい!」

「あっごめん。先いってて。あとで行く」

先輩が友達に断りを入れ、私のもとへと歩いてくる。

「茜!」

「先輩…」

「あたし先言ってるから」
まりなが私にそう告げると去っていった。

言葉を失った。だってこんなに先輩が近くにいたこともこんなに私だけを見てくれたこともなかったから。



『先輩…こんな時にずるいですよ。私が見て欲しかった時に見てくれなかったくせに…』

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