「ねっ!茜!結局お祭りどうすんの??」
「あぁ…どーしよね?まりなは?翔くんと行くの?」
翔くんというのは最近出来た、まりなの彼氏
「いや、悩み中…茜が先輩と行かないなら茜と行きたいの!!」
「私も行きたいけど…いいの?翔くんは…」
「行きたいなぁとは思ったけど、初デートがお祭りはハードル高くない??」
「あ~確かにそれもそうか…じゃあ一緒に行こ!!」
「うん!じゃあさ!今度の休み、アクセ買いに行こ!」
「おけ!!」
「ねぇ!まりな!!!これめっちゃ可愛くない??」
「ほんとだぁ!でもこっちも可愛くない??」
「かわいぃ!!」
2人で叫びながらさんざん悩んで結局、お花にパールがついたのにした。
私が赤でまりなが紫。
「疲れたから休憩しよっか!」
「そーだね!」
そう言いながら近くにあったフードショップに入った。
「あのさ……茜…私に黙ってることあるよね?」
まりなが私の目を真っ直ぐに見て言った。
「え?ないに決まってるじゃん!!」
「茜さ、うちら何年の中だと思ってんの?」
「えっと…1…2…7年?だよね。小1からだもんね」
「そうだよ。7年だよ?私が気づいてないと思ってる?私気付かないふりしてた。ちゃんと茜から言ってくれるの待ってた…」
涙を目に浮かべながら、私の目を真っ直ぐに見たまりなが言う。
「まりな…ごめんね。隠してたこと…あるよ。」
私はまりなに全部を話した。
『どうして隠しちゃったのかな?ちゃんと話していたらこんなにも楽だったのに…』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!