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第6話

夜に駆ける
233
2020/05/30 06:38
沈むように溶けてゆくようにㅡㅡ

ㅡㅡ二人だけの空が広がる夜に


『さよなら』

      だけだった

善逸「…! ッッハァッハァッ」

 その一言で全てが分かった

ガチャッ


日が沈み出したそれと君の姿ㅡ

ㅡフェンス越しに重なっていた

『ッ…』

善逸「!!!」


初めて会った日から

『ボーーー…』

善逸「…(この子は…いつも)」

 僕の心の全てを奪った


『…』


どこか儚い空気を纏う君は

善逸「(寂しい目を、してたんだ。)」


いつだってチックタックと
鳴る世界で何度だってさ

触れる心無い言葉うるさい声に涙が零れそうでも

『…〜ッッ…』

善逸「ありきたりな喜びきっと二人なら見つけられるㅡㅡ。」


善逸「騒がしい日々に笑えない君に、思いつく限り眩しい明日を

明けない夜に落ちてゆく前に
 俺の手をつかんでほら…」


『忘れてしまいたくて
   閉じ込めた日々も』

善逸「抱きしめた温もりで溶かすから」

善逸「怖くないよいつか日が昇るまで 二人でいよう」


『…ジッ……』


善逸「(君にしか見えない何かを見つめる君が嫌いだ
見惚れているかのような 恋するようなそんな顔が嫌いだ)」


『信じていたいけど信じれないことそんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんび怒って泣いていくの』

善逸「それでもきっと
 いつかはきっと僕らはきっと
  分かり合えるさ信じてるよ」


『もう嫌だって疲れたんだって』

善逸「ㅡがむしゃらに差し伸べた
 僕の手を振り払う君ㅡㅡ

(もう嫌だって疲れたよなんて
本当は僕も言いたいんだ)」


ほらまたチックタックと鳴る世界で何度だってさ君のために用意した言葉どれも届かないㅡ

善逸「終わりにしたい」だなんてさ つられて言葉にした時

『ニコッ』

善逸「君は初めて笑ったㅡㅡ」



善逸 「(騒がしい日々に
笑えなくなっていた僕の目に映る君は綺麗だ

明けない夜に溢れた涙も
  君の笑顔に溶けてゆくㅡ)」


善逸「(変わらない日々に泣いていた僕を君は優しく終りへと誘う)」

沈むように溶けてゆくように
 染み付いた霧が晴れる
 
善逸「忘れてしまいたくて閉じ込めていた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る」

涼しい風が空を仰ぐように今
  吹き抜けていく


善逸「繋いだ手を離さないでよ」

『コクッ』

善逸「ニコ」

『ニコッ』


〝二人今、夜に駆け出して行く〟



(ただの自己満です。←)

(ここまで見てくれて有難うございました!)

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