そうか…誰も違うって教えてくれないんだな。
そんなことを話していると、最寄り駅に着いた。
反対側から降りてきた人の中に、千鶴らしき人を見つけた。
気のせいかな…
駅のホームを出ると、後ろから声をかけられた。
やっぱりさっきのは千鶴だったんだ…
こーちゃんの目が点になった。
そりゃそうだろう。県内で最も偏差値の高い高校の制服を身に纏う人が、いきなり目の前に現れたのだから。
『友達』で良かったのか分かんないけど。
なんで私こんなに慌ててるんだ。
てか、そんなに恋人同士に見えるの?
千鶴が納得したように頷いた。
なんか、千鶴、妙に素っ気ないな。
やばい、千鶴のツッコミが的確すぎる…(笑)
てか、思ってたより、この二人、相性いいのかも。
そういえば、今思ったけど、この二人が並ぶと、イケメンオーラがすごい。
あんまり隣に並びたくない…(笑)
こーちゃんも千鶴も、同等なくらい顔整ってるし…
まあ、学力面では全然同等じゃないけど。
こうして、私は千鶴と二人で家に帰ることになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!