第9話

駅のホーム
32
2019/08/19 00:14
苺
ちょっと遅くなっちゃったね
洲藤くん
洲藤くん
だな~
まあ俺の自業自得なのか~
苺
いや、それは自業自得とは言わないでしょ(笑)
洲藤くん
洲藤くん
え?自業自得ってそういう意味じゃなかったっけ?
苺
う~ん、ちょっと違うかな~
洲藤くん
洲藤くん
まじか~!
俺、学校で自業自得使って話したら、何それかっけー!って言われて、調子乗ってたのにな~
そうか…誰も違うって教えてくれないんだな。
そんなことを話していると、最寄り駅に着いた。
洲藤くん
洲藤くん
やっぱり、苺と話してると、時間経つの早いな~
苺
確かに、あっという間だったね…って、ん?
反対側から降りてきた人の中に、千鶴らしき人を見つけた。
洲藤くん
洲藤くん
苺どうした?行こうよ~
苺
う、うん
気のせいかな…
駅のホームを出ると、後ろから声をかけられた。
千鶴
千鶴
あれ、苺?
苺
!千鶴!
やっぱりさっきのは千鶴だったんだ…
洲藤くん
洲藤くん
苺?知り合…
こーちゃんの目が点になった。
そりゃそうだろう。県内で最も偏差値の高い高校の制服を身に纏う人が、いきなり目の前に現れたのだから。
苺
あ!こーちゃん、この人は私の幼馴染みの千鶴!
千鶴
千鶴
千鶴です、どうも
苺
で、千鶴!こっちは…えっと、私の友達のこー…洲藤晃太くん
『友達』で良かったのか分かんないけど。
洲藤くん
洲藤くん
えっと、晃太です!
千鶴
千鶴
…もしかして、苺の彼氏?
苺
えっ⁉
洲藤くん
洲藤くん
えっ⁉
千鶴
千鶴
違うのか?
苺
ち、違うよ!彼氏じゃなくて、友達!
なんで私こんなに慌ててるんだ。
てか、そんなに恋人同士に見えるの?
千鶴
千鶴
あぁ…友達か
千鶴が納得したように頷いた。
洲藤くん
洲藤くん
あの…その制服、国立の折江高校っすよね⁉
千鶴
千鶴
あー、はい
洲藤くん
洲藤くん
めっちゃ頭良いんですね!
千鶴
千鶴
あー、どうも
なんか、千鶴、妙に素っ気ないな。
千鶴
千鶴
俺からも聞いてもいいですか
洲藤くん
洲藤くん
はい!なんでも答えるっす!
千鶴
千鶴
苺とはどういう関係なんですか
苺
えっ?だから、友達だって…
洲藤くん
洲藤くん
いやあね、俺的には友達っていうか、女友達って感じなんすけど~
千鶴
千鶴
友達じゃねーか
洲藤くん
洲藤くん
まあそうっすね~
この前帰りの電車で会って、友達になって、行き帰り大体一緒に話してるって感じっすね!
千鶴
千鶴
それ普通に友達だから
洲藤くん
洲藤くん
ガールフレンドってやつっすかね!
千鶴
千鶴
絶対意味分かって言ってないだろ
やばい、千鶴のツッコミが的確すぎる…(笑)
てか、思ってたより、この二人、相性いいのかも。
千鶴
千鶴
なるほどな
そういえば、今思ったけど、この二人が並ぶと、イケメンオーラがすごい。
あんまり隣に並びたくない…(笑)
こーちゃんも千鶴も、同等なくらい顔整ってるし…
まあ、学力面では全然同等じゃないけど。
洲藤くん
洲藤くん
あ!母さんからメールだ!
苺
お母さん何て?
洲藤くん
洲藤くん
「遅い!寄り道しないで早く帰って来なさい!」って(笑)
苺
あらら、怒ってるね…(笑)
洲藤くん
洲藤くん
母さん怒ると怖いんだよな~
じゃあ、俺、急いで帰るわ!二人ともまたな!
苺
うん、バイバイ
千鶴
千鶴
じゃあ、俺達もゆっくり帰るか
苺
うん
こうして、私は千鶴と二人で家に帰ることになった。

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