⚠死ネタあり!
退屈な数学の真っ最中。
はよ終われ、と心の底から思っている。
カチャカチャ
隣を見ると、暇を持て余した遙稀がルービックキューブで遊んでいた。
そういって窓の外に視線を移す。
逆さま花火?
巨大な花火のようなものが、空から降ってきていた。
先生にバレないように、ヒソヒソ声で囁く。
その時だった。
ドカーン!!!!
激しい爆発音とともに、花火が落ちた所から大量の瓦礫が吹っ飛んできた。
爆発から数秒。
俺達のところにも、爆風がやって来た。
ハッとして俺は辺りを見回した。
教室のあちこちにクラスメイト達の亡骸が転がっていた。
見たことも無い惨劇に、思わず目を瞑りたくなる。
幸い、2人も軽傷のようだ。
ガラガラッ
俺たちは、学校から出た。
いつものコンビニも、マンションも、跡形もなく消え去っていた。
不謹慎だが、最悪の事態を想像してしまっている俺がいた。
間違いない。夢の中で嗅いだ匂いと同じだ。
花畑の向こうには、空中都市のようなものがあった。
うん、と全員が力強く頷く。
これが、世界が終わる、きっかけだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。