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sideねぎりょー。
俺には認めてしまいたくない事がある。
どうしようもない、本能的なものなのに、認めたくないのだ。
ただ、わかってしまえば楽かもしれないし、もっと辛いかもしれない。
自分の方が、どうしようもないんだろうな。
ぽつりと呟いた言葉は、誰に届くこともなく、静かな部屋に残りもしなかった。
…これだから嫌になるんだ…。
俺にしか知らない事なんだ。世界には無かったも同然なんだ。
どうせバレたって、当たり前の事なんだから。
人間には性別があってしまうんだから。
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四つ葉のクローバーでも探してみようかな。
〜探す事数分〜
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知る由もなかった。
まだ俺らは未熟だから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!