第5話

🍀4
133
2020/05/19 07:37
sideねぎりょー。
風呂場で服を一旦脱いで、ファブリーズを掛ける。

多分これで匂いは消えるだろう…
ねぎりょー。
ねぎりょー。
…(これで大丈夫かな…)
もう一回服を着直して、部屋に戻る。

少しだけチハヤの様子を見に行こうかと思ったが、少し大きな物音と声から色々察して戻ってくるまで待つ事にした。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
(し…仕方ない仕方ない…)
てか…あんなに酷いのいきなりくるか…?それだけ溜まってたのか…。意図的にやったとは思えないし…。

でも多分だけど、最近あいつ忙しそうだったし、かなり溜まってたんだろうな…。
ガチャッ
ねぎりょー。
ねぎりょー。
ね〜匂いもう大丈夫?
もち
もち
多分大丈夫
フレント
フレント
ファブの匂いしかしないっす
もち
もち
でも帰るとき気をつけろよ。たまにすぐ襲おうとしてくるやついるから。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
ん。わかった。
そういや今何時…もう23時…
ねぎりょー。
ねぎりょー。
てかもうこんな時間だねw
もち
もち
腹減ったっしょ?俺コンビニ行ってくるわ
ねぎりょー。
ねぎりょー。
お、気が効くじゃ〜ん
財布から1000円札を2枚出して、もちに渡す。
もち
もち
え、こんな必要?
ねぎりょー。
ねぎりょー。
チハヤのも買ってきて
もち
もち
気前ええなぁ
フレント
フレント
じゃあ俺のもお願いしま〜す
フレントも財布から1000円札を取り出した。
もち
もち
じゃ、行ってくるわ
ねぎりょー。
ねぎりょー。
気をつけてね〜
フレント
フレント
…ねぎさん…
玄関のドアが閉まる前にフレントが話しかけてくる。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
ん?どした…
フレントの方を見ると、目に涙を浮かべて俯いていた。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
えっ…どうした?
フレント
フレント
俺…さっきチハヤがあんな事になってたのに…何もできなくて…
涙をポロポロ溢しながら、震えた声で話す。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
うん…
俺はだいぶ前にフレントから聞いた事がある。

フレントはチハヤが好きなんだ。好きだけど自分はαじゃないから運命の番にはなれないだろうって。


確かに、フレントはβだし、Ωとβが番になる事なんてほぼない。

だけど俺は何もいえなかった。純愛を性別だけで割ってしまうなんて、あまりに酷いんじゃないかと。

励ます事も、慰める事もできなかった事を、今でも後悔している。
フレント
フレント
だって…俺が守ってあげる事もできなかったら…運命の番なんて夢のまた夢だし…
ねぎりょー。
ねぎりょー。
…フレント、
フレント
フレント
はい…?
ねぎりょー。
ねぎりょー。
お前は凄いよ。守ろうとするだけで。
フレント
フレント
…?
ねぎりょー。
ねぎりょー。
Ωを守ろうとするなんてな、本当に勇気がいる人じゃなきゃできない事だよ。
フレント
フレント
ねぎりょー。
ねぎりょー。
好きなんだろ?チハヤの事。
フレント
フレント
…はい…
ねぎりょー。
ねぎりょー。
だから、今度はお前が守ってやれ。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
Ωはな、本当に女みたいなもんなんだよ。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
か弱くて、1人じゃ外を歩く事も怖くなるぐらい。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
それに、βなんだからαみたいにフェロモンも効かないだろ?w
ねぎりょー。
ねぎりょー。
だったら尚更だよ。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
だよな?
フレント
フレント
…はい…っ…
フレントは安心したのか、また泣き始めた。

今は好きに泣いていいよ。と、隣で背中を摩っていた。
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主
今日はもしかしてもうひとつあげられるかも

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