葛葉視点
設定していたアラームの音を迷惑に思いながら重い体を頑張って起こす。
少し日が沈み始めた時刻だった。
今日は日曜日だというのにスタジオへ来いとのお達しがある。
まぁライバーに日曜日とか時間とかは関係ないけども…
収録らしい。あんまりしっかり確認してないからよくわかってないけど
眠たい目をこすりながら顔を洗って、手櫛で髪を雑に整える。
わざわざセットしていくほどの用事ではないと思うから外に出れるレベルの装いにして。
服はいつも着ているお気に入りのジャージだ。
これが一番過ごしやすい。
冷蔵庫に入れてあった10秒チャージを手に取って口にくわえたまま今日の予定を一応確認した。
今日は企画の撮影で…メンツは…
10秒チャージが驚きで変なところに入って行ってむせてしまった。
今日のメンツ、イブラヒムいんじゃんかよ…
水を飲みながらキッチンの壁に重心を預け赤くなった顔を抑えながらずるずると座り込む
イブラヒム。俺の想い人である。
そして同じにじさんじライバーの一人でとても仲が良い。
けど、その仲が良いというのはあくまで友達として。
俺があいつに寄せてる感情は恋愛感情。
もちろん同性に恋愛感情を抱いてるなんて言って嫌われたくないしましてやその相手が自分だと知って離れられたくないから全く悟らせないようにしている。
LINEでは普通に話せるし、オンラインもまだこの感情は溢れない。
けど企画ってことはオフライン…
感情があふれて暴走しないようにセーブをかけなきゃいけないなと思う。
のそのそと立ち上がった俺は残りの10秒チャージを食べきり期待と不安と嬉しさを胸にずいぶんと早く家を出た。
スタジオに着いたのはいつもより早くて集合時間の一時間前だった。
暇だな~なんて思いながらすれ違うスタッフに挨拶をする。
今日使うスタジオにスマホをぼんやり見ながら足を向けて進んだ。
そして頑丈なスタジオの扉をスマホに目線を落としたまま押し開ける
ドアを開けた瞬間最初に目に入ったのは俺の大好きな人だった。
俺を見た途端スマホから目線を上げてぱぁっと顔を明るくする彼の姿は本当に愛おしい。
心臓の鼓動は急ぎすぎて正直持たない。
けれど、赤くなって沸騰しそうな顔を頑張って隠しながらイブラヒムの隣に腰を下ろした。
唇が震え、緊張が走る。
本当に唐突に話しかけられた。
このあと暇って…忙しいだろうが忙しくなかろうがそんなん答えは決まっている
OKはしたものの少し困るのは俺の理性が持つかどうかの問題だ。
俺の家で飲むなんて…そんなん無理だろ…
でも今更断るなんてことはできやしない。
特に何も言わなかったからその話は決定事項として俺ら二人の予定に刻まれた。
こんなことならもっともてなせる準備も掃除もしておけばよかったと恨みながら。
その後続々とライバーがスタジオに入ってきた。
各々がゆっくりと撮影の準備をしたりスマホを見たり話したりとしている。
俺ものたのたと準備をはじめ、スタッフの声がかかると台本の位置に着いてスタートした。
企画は順調に進んでいき予定の15分くらい巻いた状態でその日の収録は終わった。
全然普段動かない俺にとっては少しきつい企画内容ではあったが周りのメンツも俺の話しやすいライバーで楽しむことはできた。
それに何よりイブラヒムが可愛かった。
3Ⅾの企画だったからきっとリスナーにもこの可愛さは共有できているだろう。
そんな可愛さを噛みしめていると後ろから肩をたたかれた。
前を先導するように意気揚々と歩くイブラヒム
口の口角が自然と上がり笑みがこぼれる。
二人でスタジオの1階に行きスマホでタクシーを呼んだ。
本当に今から二人きりで一緒に飲むのかとしみじみと考える。
一応今までも俺の家で飲むことはあったがそれはほかにもいるからこれとはまた別なのだ。
拳を握りしめて緊張を押し込める。
理性持つのかな…俺
タクシーに運ばれて俺の家についた。
予想外にも心の準備をする時間は少なく今は死にかけだ。誰か助けてくれ。
そんな心はつゆ知らずイブラヒムは早くしろだのせかしてくるから仕方なく鍵を回して家に入れた。
こいつは俺に襲われたいのか?
そんな疑問が頭を渦巻き気づけば手に握ってたビールの缶が床に転がっていた。
床に転がったビールを拾いながら話し、テレビの前にある机に運んで行った。
たわいのない話をしながら酒を流し込んだ。
いつもは甘いフルーティーな味がするそれだったが今日だけは無味に感じられた。
その後はゆるーくゲームをしたり雑談したりだらだらとすぎるときに身を任せて過ごした。
思ったよりも自分がまともな返答ができていることに対し一番驚きを感じたが。
10時を回ったころだろうか?
少しイブラヒムに酔いが回ってきたように見えた。
さっきから俺はあんま酒を口にしてなかったがイブラヒムは結構飲んでいた。
顔は少し赤いし、呂律も回ってないというほどではないがふにゃふにゃだ。
極めつけは少し眠いのか俺の方に体重を預けてうとうとしている顔だ。
可愛いとかいう言葉なんぞじゃ収まりきらないものだった。
イブラヒムがその言葉を発した瞬間に俺の中で理性が切れる音がした。
ソファに座っていたイブラヒムを無理矢理押し倒し上に乗った
喋っているイブラヒムの言葉を途中で遮って俺は唇に影を落とした。
クチュっ♡クチュクチュ
部屋に舌が絡まる淫らな音が静かな部屋に響く
驚いたような表情で俺の胸を叩く。
だが、その口からははしたない声が漏れるばかりであった。
そして、息が苦しくなってきたのかうっすらと涙を浮かべて先ほどより俺の胸を強くたたく
仕方なく俺も唇から顔を離し有無を言わせず服を脱がせていった
この行動で一気に酔いがさめたのかふわふわと焦点の定まってなかったその目は今は俺に驚いているような、恐れているようなそんな目で見据えてる。
服は脱がせ俺も脱いだ。
適当に床に放り投げた服は無造作に落ちている。
横目にそれを見ながら俺は問うこともせずローションをつけそのままイブラヒムの中に手を入れた
グチュグチュグチュグチュグチュグチュ♡
イブラヒムの中でゆびをかき混ぜる。
涙を浮かべて上目遣いで訴える彼がどうしようもなく可愛いのだ。
一本、二本、三本…と指を増やす
そのたびに我慢している喘ぎ声が口から洩れている
耳元でそうつぶやくと体をビクっとさせてふしだらな声を出している。
そして俺はイブラヒムの中に俺のモノを入れた
少しずつ腰を動かしていく。
パンパンパンパンパンパン
ビュルルルルル♡
パンパンパンパンパンパンバチュバチュバチュバチュ
バチュバチュバチュバチュゴリュ♡
ビュルルルルルビュルルルルル
二人して俺らは達した。
白濁液がソファにまき散らされていて俺らは疲れてしまって肩で息をした
イブラヒムはというと相当疲れたんだろう。服すら着ずに寝てしまっていた。
冷静に帰った俺はというと事が終わったその掃除をしながら自分のしでかしてしまったことに血の気が引いた。
時刻は12時を回ったころだった。
この夜が一生続いてほしかった。イブラヒムが起きて目を見たくなかったし。
けどこの二人きりの幸せな時間は続いてほしかった
朝
一睡もできるわけなく俺はスマホでエゴサをしていた。
昨晩かけておいた毛布がこすれる音が後ろで聞こえビクっと肩がふるえた。
床に頭をこすりつけてどけ座をしながら謝る
これの答えはまた別のお話だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。