あなたside
涙声のお兄ちゃんから電話があって、私は
急いでタクシーに乗った。
レッスン中に抜け出させてもらったから、
ただでさえ汗だくなのに、「彼」の事を考えるとヒヤヒヤしてより汗が出てくる。
目的地の病院につき、彼の元へ走る。
\ガラッ/
あなた
「ジャニーさんっ………」
病室のドアを開けると、優しい笑顔を浮かべている、SixTONESとジャニーさんが居た。
ジャニーさん
「You、よく来たね」
大我
「あなた、こっちおいで?」
近くで見ると、いつもより弱々しいジャニーさんに胸を痛める。
あなた
「良かったんですか?私なんか来て…ジャニーズじゃないのに、」
ジャニーさん
「でも、Youは僕のこどもだよ?わすれたの?京本家はみんな僕のこどもだって」
あなた
「忘れる訳…ないっ」
[京本家は僕のこども]
これは、私が小さい頃、お兄ちゃんのレッスンについて行って、
ジャニーさんに初めて会った時、言われた言葉。
お父さんが俳優で忙しく、なかなかお父さんと遊べなかった私は、第2のお父さんが出来たみたいで嬉しかった。
小さかった私は、しょっちゅうジャニーさんに会っては話を聞いてもらっていた。
その中でジャニーさんは、
「Youはアイドルになるんだね、」
という言葉を送ってくれた。
子供の10年後の姿が見えるというジャニーさん。
私の姿も見えたのかもしれない。
その証拠に私は今、アイドルになっているのだから。
今まで話せなかったこと、あの頃の嬉しさ、喜び。全部全部話した。
それをジャニーさんは優しく頷き、聞いてくれた。
あの頃のように。
話しきって、面会の時間が終わった。
いつも元気なのに今横にいる寂しげなSixTONESを見ると、改めて現実を突きつけられる。
ジャニーさん、お願いだから、
まだ…いかないで
小説に書くのは不謹慎かと思いましたが、つい書いてしまいました。
不快な思いをさせてしまっていたらすいません。
幸せをたくさんの人にくれたジャニーさん。
天国でゆっくり休んでください。
ご冥福をお祈りします。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!