俺達は山奥へと足を進める。
悠哉が冗談混じりに笑った途端、俺達の視界から消えた。
不思議に思い、武光と真咲が悠哉が消えた辺りを覗き込んだ
覗くと坂道になっている先に悠哉が転げ落ちたらしく土塗れになっているのが見えた。
悠哉が俺達の方を指さしたので、俺達はつられて後ろを向く。
そこには、少し地面が高い位置にあるツタが絡まっている家が見えた。
いつの間にか悠哉が戻ってくる。
〜少し歩きツタの絡まっている家の前〜
武光はどんだけ乗せられやすいんだよ…
武光がチャイムを鳴らすとチャイムから声が聞こえ始めた。
少し大人びてる声の持ち主に変わった。
そこで会話は途切れた。
すると、中学生と見られる女子が出てきた。
そういって俺達を家の中へと入れてくれた。
家の中はには何も無く誰も住んでいる様子が無い部屋だった。
その子は歩きだし部屋の奥へと向かう。
女の子は部屋にある隠し扉を開けるとそこに現れたのは地下へと続く階段だった。
階段を降りるように促したので俺達が入ると隠し扉を閉め俺達の後ろをついてくる。
広げた場所に出ると、そこには扉がついていて床には小さな大量の靴が散乱していた。
光景に呆れたように苦笑いを浮かべながら言う女の子に俺達は従った。
その子は全員が靴を脱いだことを確認すると扉を開けてくれた。
そこには……
幼児と思われる子から小学生、また少し大きい中学生などが遊んでいた。
扉がない入口が3つある中の1つを指差して少し笑っている
美歌と呼ばれる女の子は、友達のところに走って行った。
すると、幼い少女が来る。
俺達は美歌ちゃんが指示した部屋に向かう。
部屋に入ると……やはり、沢山の子がいた。
ただ一つ違うことと言えば…
部屋の中に1人だけ明らかに他の子達より、身長が大きいフードを被った人が膝に座っている子に本を読んでいた。
悠哉がその子に近づく。
すると、反応して読むのをやめる。
少女は本を持って降り、隣の部屋に行く。
その子は立ち上がり俯いていた顔をあげた。
そこには次のステージに向かうと言っていた舞が立っていた。
舞は話しながらフードをとる。
二年前よりも伸びた髪が降ろされる。
舞は語尾が段々小さくなりながら、あの男子の方を見ている。
6年前…1回目のDEATH GAME……
…舞の知り合い…まさか……
舞の目に涙が浮かんでいる。
柊翔の胸倉を掴んで呟いている
無言で頷き舞が俺達の方を向く。
舞は不思議そうな表情をしている。
4人はそう言い子供達がいる部屋に向かった
俺は悠哉と目を合わす。
そして、俺達はしっかりと話し合えるように椅子に座った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。