第20話

僕の償い
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2018/04/30 02:27
園宮猛の背中を見送ると、僕は改めて崖の方へと視線を向けた。
…ねぇ、みんなDEATH GAMEが終わったよ。
6年という長い道のりだった…
沢山の被害者が出て、何回も何回も目の前で人が死んでいってさ…
雪奈、天国からちゃんと見てる?
…やっと約束を果たすことが出来たよ。
これで安心して眠れるかな?
天国のみんなと笑えるかな?
紗奈も僕に願いを託してくれてありがとう。
意思を継いで…終止符を打ち終わらせることが出来て良かった。
燐翔は僕の気持ち理解してくれたよね…
馬鹿みたいにどんちゃん騒ぎしてさ…
忍もみんなの願いに乗せてくれた。
自分が死ぬことが分かっても僕なら出来ると励ましてくれて…
蒼真は…まぁ、良い奴かな。
あそこで復讐するって言ったから罰を受けたけど…
僕の知り合いは少ないけど、関わってきた人はみんな良い人ばかりだね…
自分の気持ちがあっても他の気持ちを考えて友情ってやつ?
僕は大人が嫌い。けど、そんな大人の中でも良い人はいた。
これで全て終わり。
DEATH GAMEは終わった。
これからはDEATH GAMEの無い平和な世の中になったらいいな。
園宮猛は何でDEATH GAMEを始めたのかが僕は理解できない。けど、あの人にはあの人なりの考えがあったから始めたんだと思う。
さて、僕はどうする?
大量の犠牲を出させてこのまま生き続ける?
燐翔はたっぷりと楽しんでからどうなったかを報告に来いって言っていた。
果たして、それはあっているの?
僕は…
死ぬことが分かっていて人をDEATH GAMEに巻き込んでいく死神。
僕に生きる価値はある?
最後に限っては人を殺すことまでした。
神崎舞
………どうせなら…
…燐翔と同じように崖から飛び降りて死ぬ。
それが皆への償いになればいいけど…
僕が行くなら天国じゃなく地獄。
燐翔達と離れ離れになるのが残念かな。
私は立ち上がり崖のスレスレに立つ。
みんな、今まで本当にごめんなさい。
僕のせいで死なせてごめんなさい。
崖から離そうとした時だった。
『舞、死んだら駄目だ。』
燐翔の声が聞こえたような気がする。
慌てて振り留まり後ろを向くと、
そこには柊翔が立っていた。
神崎舞
何さ…
倉持柊翔
何さじゃない、ほら帰ろ?
神崎舞
僕は沢山の人をDEATH GAMEに巻き込んで死なせた。それなら償わないといけない。
倉持柊翔
そんな、自分も死ぬとかじゃくても方法があるんじゃないか?
神崎舞
それは無い。そして、僕の帰る家も何処にも無い。
倉持柊翔
まぁ、いいから死ぬのはやめようよ。
柊翔に腕を引かれ、僕は崖から離れる。
神崎舞
………。
倉持柊翔
みんなの分まで生きるのが償いになるんじゃないか?
神崎舞
!……
倉持柊翔
な?だからさ、みんなのところ戻ろうよ。
神崎舞
う、ん…
そして、僕は柊翔に連れられロッジに戻った

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