今日一日リカちゃんと一緒に居て分かったことがある。
可愛らしくクスクス笑うリカちゃんよりも
口をガバッと開けて笑うテオ君と居たい
俺より1歩後ろで話を聞いてくれるリカちゃんよりも
俺の隣で沢山自分の話をしてくれるテオくんと居たい
魚を見て可愛いと笑顔のリカちゃんよりも
魚を見て海鮮が食べたいと言うテオくんと居たい
サラダを取り分けてくれるリカちゃんよりも
肉の取り合いになるようなテオくんと居たい
もう少し一緒に居たいと態度で示してくれるリカちゃんよりも
もう少し一緒に居ようと言ってくれるテオくんと居たい
テオくんが俺の事を好きになってくれる訳ないけど、やっぱり俺はテオくんがいい
テオくんと居たい
テオくんが好き
涙がポロポロ出てきてもう前を見る事が出来ないよ
苦しいよ、テオくん
足が震えて1歩でも踏み出せば崩れてしまいそうで俺はその場にしゃがみ込んだ。
震えてる俺の背中に手が置かれた。
「じんたん、大丈夫?」
聞き間違えるわけがない声。
最後に聞いた冷たい声じゃない、優しくて、包み込んでくれるような声
俺の事をじんたんなんて呼ぶのは1人しか居ない。
見上げるとそこには……………
「テオくん…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!