「はい!誕生日プレゼント」
包装用紙を開いてみるとずっと欲しかったTシャツと帽子が出てきた。
「うお!俺が欲しかったやつ!なんでわかったの?!」
「秘密!」
ありがとう~!ていいながら思いっきり抱き締めると「苦しいよこの筋肉バカ~」とか言いながらも俺の背中に手を回してくれる。
世界一幸せだなー、俺って。
「じんたんほんとにありがとう~、」
頭を撫でるとぱっと上を向いた。
そして俺の頬を彼の手が包み込んだ。
え。と思った瞬間に口付けられた。
唇をはむはむと咥えられ、そのまま舌が入ってくる。
普段彼はキスするのが恥ずかしいと言ってしてくれないのだが、今日は特別って意味なのかな。
下手くそなキスさえも愛おしい。
せっかくなので彼に委ねることにした。
ちゅぷちゅぷと音を鳴らせて頑張ってキスをしてくれる。
しばらく舌を絡ませ合って、息苦しくなってきた頃に唇が離れた。
名残惜しそうに彼の唇と俺の唇を銀の糸が繋ぐ。
彼の唇からは飲み込みきれなかった唾液が垂れている。
欲情した彼の目が俺を捉えたまま逸らさない。
そのまま引き寄せられるように、どちらからともなくキスをした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。