期待していいんだろうか
思い伝えたい
じんたんのあとを追いかけて家を飛び出した。
じんたんは運動神経が悪いから、すぐに追いついた。
「待って!」
「離して!」
俺の手を振りほどこうとするじんたんの肩を掴んで向かい合わせにして、もう一度キスをした。
「っ…、なんなの、ネタなんでしょ、キスしないでよ」
「ネタじゃない
関係が崩れるのが嫌で、嘘ついたんだ
俺じんたんのこと好きだ」
じんたんはまた涙を流した。
その涙を拭って、本当だよと伝えると、じんたんが抱き着いてきた。
「俺も…
俺も好き」
ポッキーの日も、悪いもんじゃないな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。