「テオくんもこれ、」
俺に渡されたのはほかのと変わらないクッキー
分かってたよ
分かってたけど
お前は違うよって
ここが俺とお前の境界線だよって
そう言われてるみたいで辛かった。
いろんな感情がごちゃごちゃになって
「いらねぇ」
そう言ってじんたんから離れた。
「え…」
目が合っちゃったら確実に泣いちゃう
「テオく…」
「じんくんおはよっ、」
「あ、あなたちゃん…」
「あの、これ…」
それ以上の会話は聞こえなかった。
「テオくん!」
声を掛けてきたのは女子の中で1番仲いい奴。
「よっかす」
「みてみ、これ作ったからあげる」
「あ、本命?wwwwww」
「んなわけないでしょ♥」
「食っていい?」
「うん」
じんたんのことで悲しみ8割何に対するか分からない怒り2割でとりあえず笑顔を作るのに必死だった。
かすと話してると
いきなり冷たい水をかけられた。
「っは?」
ぱっと振り返ると
じんたんが水筒をもって立っていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。