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第18話

黄色い手紙
黒い手紙の続きです。


すず。



俺がこうすることを選んだのにはもう一つ、理由があるんだ。


それは……


夢だ。




俺には夢がなかった。


サッカーをしてても、将来サッカー選手になんてなれるわけないし、なりたいとも思ってなかった。



かといって、他にやりたいこともない。


将来のことを考えると、嫌だった。



でも、すずには夢がある。



検察官になりたいっていう立派な夢が。


きっかけは、どんなのだっていい。



検察官になるっていう決意が、夢がすずにはあった。



そして、その夢のために頑張るすずの姿が好きだった。


でも……


すずの病気が悪化して、入院が必要になって、余命宣告されたときからは頑張るすずの姿が見れなくなった。


まあ、そうなるよな。


今、将来の夢に向かって頑張っても、そこまで生きられないのだから。



それから、俺は色々考えた。


俺は将来、人の役にたてるのだろうかって。



すずならきっと、検察官になってカッコよく仕事して……人の役にたつ、人に感謝される人になるんだろうなって思った。





俺は、すずに検察官になるっていう夢を諦めてほしくなかった。


検察官になってほしかった。




だから、俺は来栖さんに頼んだんだ。


俺とすずの命を取り替えてくれって。



俺の命をすずに捧げるから、すずを助けてくれって。




クリスマスのデート、出来るかな。


そこまで生きていられるかな。


2人で過ごす、初めてのクリスマスだよ?


俺はいつ、どこで、気を失うのか、死ぬのか分からない。


余命わずかってことしか分からない。


つまり、すずの状態になったってこと。


あー、手紙なんて書かねーから、指は疲れるし、文はグダグダだな。




でも、クリスマスデートだけはしたいな。


…………もし、それまでに俺が死ぬっていう可能性もあるから、クリスマスプレゼントはこの箱のそこに入れてあるよ。






最後に。



この手紙の意味を教えるね。


黒い手紙は別れの手紙。


黄色い手紙は夢の手紙だそうだ。



来栖さんによるとね。






黄色い手紙……夢の手紙に、



俺が一番すずに伝えたいことが書いてある。






これだけだ。





夢を諦めるな。


すずに立派な検察官になってほしい。


大好きだ。


ここに書ききれないくらい。



愛してる。




夢、叶えろよ。




じゃーな。 樹吹

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涙が溢れ出てくる。



樹吹の願い…………せめて、これだけでも叶えなければ。




私はまた検察官になるという夢を取り戻した。




たった1枚の手紙で。