第117話

事故👑❤💜
413
2020/08/20 14:36
"今日は、若い子から大人世代にも人気な、あなたさんに来てもらってまーす!"

いつもどおりの収録、楽しみで昨日から準備していたから、絶対うまく行くはずだった。

けど、ほんの一瞬だった。

大惨事になったのは。

〔一旦休憩入りまーす〕

〔あなたさん、ちょっとよろしいですか?〕

「はい、?」

〔今、メンバーの平野さんが事故に合ってしまいまして、病院に緊急搬送され、意識を失ってしまいました〕

「え⁉今すぐ向かわせてください」

〔しかし、この収録は出演者が多数で、滅多に全員集まることができないので…〕

「でも、絶対命のほうが大事じゃないですか!」

〔そう言われても…〕

結局最後まで収録することになり、早く終わればと、全然集中することができなかった。

前日から用意していたものが、台無しだった。

やっとのことで収録が終わり、あいさつを済ませ、すぐに車を出してもらった。

病室の扉をあけたら、1人岸くんがいた。

〈あなた。〉

「岸くん。紫耀はどう?」

〈まだずっと起きない〉

紫耀は、苦しそうに目をつぶっていた。

「きっと紫耀ならこの紐ブチって切って起きるよね、笑」

起きないわけがない。

そう、二人が同時に思ったとき、奇跡が起きた。

握っていた紫耀の左手がピクッと動いた。

「紫耀…?」

『ん…あれ…?』

〈紫耀!あーまじよかった〉

『どういうこと?』

紫耀に事情を説明すると、紫耀は笑いだした。

〈おま、笑い事じゃねぇよ〉

『俺、事後に合ったんだ。ダッセー、もっとちゃんとしなきゃ!』

「どこまでかっこいいのか。笑」

滅多にない紫耀が弱くなるのも見たかったけど、やっぱり強い紫耀が1番かっこいい。

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