「ねぇちょっとでかけてきていい?」
『何処に?』
「渋谷だけど」
『誰と?』
「………」
『答えられないの?』
「…北斗くん」
『はぁ?北斗⁉ダメダメ。あいつ意外と女々しいから。ラジオ聞いたろ?』
「まぁそうだけど、買い物付き合ってくれるだけじゃん」
『でもだめ!絶対だめ!』
「えーせっかく楽しみにしてたのにー。あ、じゃあ樹も行く?」
『え』
「北斗くんに聞くね」
『うん…』
「ふふ笑。樹ダメだって」
『はぁ⁉じゃあお前も行くな』
「それは嫌だ」
ピーンポーン
「あ、来た来た」
『だめ!俺が出る』
[おはよー]
『おいおまえなんであなたと行くんだよ。俺がいるってわかるだろ』
[ははっ笑]
「ふふ笑」
『お前ら何?もう最悪』
[俺ら元々樹と3人で行こうって話になったんだけど、今日樹本当は仕事だったでしょ?
それが休みになって、どうせならドッキリしよう!ってなったわけ]
「ごめんね?樹。笑」
『はぁまじよかった。デキてんのかと思ったわ』
[デキてねーわ。ほら早く準備しろ]
可愛い嫉妬をする樹くんは、やつぱり彼女思いでした。
-fin-
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!