親が再婚した。
別にもともと嫌いだったからどうでもいい。
けど、兄弟が増えないことだけ願っている。
[あなたー]
「なに」
[今日からの新しいお父さんよ]
別にそんなの誰だっていい。
けど、1番に目に入ったのは、父親の後ろにいる、赤い髪の毛をした、背が高くネイティブな顔の男だった。
[で、この子が新しいあなたのお兄ちゃんよ]
『どーもっジェシーですっ宛先は、こちら』
「……」
『AHAHAHAHA』
[元気な子、いいじゃない]
「別に」
随分やかましいやつが来た。
別に一緒に住むだけだから、関わらなくていい。
[じゃあ私達は出掛けてくるから部屋にいなさいね]
どこに行くかなんて言わなくてもわかる。
部屋に戻って昼寝でもしようと思ったら、
「なに。離せよ」
『女の子なのにお口悪いよ?』
「うるさい。あんたには関係ないj」
チユ
「ちょ!お前何したかわかってんの⁉兄妹だよ⁉」
『でも血繋がってないじゃん』
「いやそうだけど…」
『友達以上恋人未満ってことだよね?』
ニヤニヤする奴は、どこからそんな余裕が出て来るんだろう。
『じゃあなにしてもいんだよ?』
「いや、そ、そういうことじゃないでょ!」
『ね、俺の部屋行こーよ』
「っ、1回だけ……だよ…」
ふっ笑と笑われ奴の部屋へ手を引かれた。
1回だけ。
それが毎日続いてたりしてね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。