つけっぱなしのテレビの音で目が覚める。
朝でもないのに何故か体がスッキリして、短パンとパーカーだけ上に着て外に出る。
あぁ今日は傘も持ってきたほうがよかったかな、なんて考えるのは一瞬で。
気がつけば誰かの男と喋ってる。
好きになろうともずっと一緒にいようとも思わない。
ただただいい気分になりたいだけ。
そう言い聞かせてるけど、普通の恋愛がしたいのは当たり前。
学生の頃は、夢なんて簡単に言ってたけど実際変わるのはすぐ。
そんな女が後に子孫なんて残せる資格なくて。
今更変わっても無駄だし。
人生もう楽しいことないのかな。
希望はあっても、それが上手く行くとは限らない。
だから、そんな重い気持ちを閉じ込めるために、
今日も私は汚れたパーカーを着て出かけていく。
−fin−
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。