今は外出できないし、暇で暇で仕方ないから電話をしてみた。
℡
『…はい』
「もしもし?」
『お!どーした?』
「会いたい」
『だめだよ家にいなくちゃ』
「でも…」
『俺だって会いたいよ?』
「じゃぁa」
『だめ〜』
「……泣」
『寂しいの?』
「うん…」
『じゃあ俺が歌歌ってあげるね』
「うん!」
『きょ〜もきよ〜もきょも僕はきょも
白くて細い男の子!』
「……」
『あなた…?』
「ぷっ笑」
『あ、元気出た?』
「うん笑」
『良かった笑。もう寝な?』
「寝れない」
『じゃあ子守唄歌ってあげる』
「さっきのは嫌だよ?」
『え』
「ほかのがいい」
『わかった』
そう言って、優しくゆっくり歌を歌ってくれた。
『……あなたもう寝た?』
「zzz…」
『早く会いたいね。おやすみ、大好きだよ』
早く大好きな貴方に会えますように。
-fin-
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。