第49話

変わらない君と🦓
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2020/03/31 14:05
よくある漫画みたいに、毎日アタックしてくる後輩が居まして。

『あなたせんぱぁい!!』

また来た。

朝イチだというのに元気が良すぎる。

「…お、おはよう…」

『元気ないんすか?なら俺が元気をあげます!
テクテクテクテク手首!』

「……」

『ぷっAHAHAHAHA』

本当にうるさい人に絡まれたもんだなぁ。

『元気になりました??あ、先輩、今日一緒に帰ってもいいですか?』

「うん…別にいいよ」

『よっしゃ!』


帰り道、しれっと道路側を歩くジェシー君は、きっとモテるんだ。

「ジェシー君って意外とモテそうだよね」

『え…それ、褒めてます…?』

「うん。一応笑」

『一応ってなんすか!』

「私なんかよりもっと可愛い娘との方が幸せになれるよ?」

すると、急にジェシー君は立ち止まった。

『俺…あなた先輩の近くに居たら迷惑ですか…?』

「……え…」

『ha…ですよね。じゃあさようなら。気をつけてください』

小さな気遣いをしてから、そのまま小走りで帰っていった。

それから卒業するまで、ジェシー君は現れなかった。

5年後。

就職し、ジェシー君のことは忘れかけていた。

帰り道の電車、疲れが溜まっていたせいか、気づいたら寝てしまっていた。

目を覚ますと私の頭は誰かの肩に。

マズイと思ってすぐ謝った。

「す、すいません!」

『HAHA!大丈夫ですよ〜、あなた先輩』

その相手はまさかの、ジェシー君だった。

あの頃とは打って変わって、髪は大人っぽい赤で、ガタイも男らしく、顔つきもかっこよくなっていた。

びっくりしすぎて放心状態になっていると、

『あなた先輩、元気ないんすか?俺が元気をあげますよ!』

あの頃と変わらない笑顔で言ってきた。

『はっけよーい、のこっタンバリンダンス!』

「……」

『AHAHAHAHA』

照れて自分が先に笑うのも変わってない。

「…あのさ、なんで居なくなったの?」

『なに、やっぱり寂しかったんですか?笑』

「い、いや、違うけど…」

『ごめんなさいごめんなさい笑。
僕、家の事情で転校したんですよ。だからあの日、先輩に想いを伝えようとしてたんですけど…』

「そうだったの?!ご、ごめんね…」

『あなた先輩は悪くないです!』

『あの、この後一杯どうですか?』

「ふふ。笑いいよ」

『よっしゃ!!』


そのまた2年後

お揃いの指輪つけて、神様の前に立っている。

『あなた?元気?最初はグー✊じやーん✋✋

ちょっと!うるさいよ!

『HAHAHA』

いつでも笑顔で笑わせてくれる君に惹かれたんだ。

-fin-

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