第74話

意地悪👑💗
415
2020/04/29 13:16
『うわー餃子焦げちゃった』

「焦げちゃったの?大丈夫だよ!焦げても焦げてなくても、あなたが作ったから、なんでも美味しいよ!」

『もう、いつも玄樹はそう言ってくれるんだから。甘やかさなくていいの!』

「でも美味しいんだも〜ん」

この幸せな日常が、ずっと続けば良かったけど。

『ただいまー』

今日は君から違う匂いがした。

「お、おかえりあなた!」

『先お風呂入ってきてもいい?』

君から甘い匂いがした時は、先にお風呂に入るんだ。

少し長く。

だから僕は、意地悪をする。

「えい!」

『ちょっと!なにしてんの!』

「だって遅いんだもん。てか、なにしてんの?」

『……いや、その』

彼女は、鏡を見ながら首元を擦っていた。

「僕に隠してることあったら言って?」

『………』

「もうバレバレだよ?」

もう、逃げれないねあなた。

あなたが悪いんだよ?

僕に隠し事なんかするから。

もう僕だけで充分でしょ。

-fin-

プリ小説オーディオドラマ