私の彼は暴力が酷い。
毎日帰ったら叩かれ殴られ殺されかけている。
そのせいで私も狂ってる。
でも貴方はいつも後に言うの。
『ごめん…痛かったよね…でもね、やめられないんだ』
元々は私の方から好きだったから逃げることなんて出来ない。
でも、貴方のせいで変わってしまった。
暴力でさえも愛おしくなってしまった。
「大丈夫だよ」
ほら頭なでちゃってるもん。
『ねえあなた…いっその事二人で死のうよ』
また鬼の目に戻ったよ。
『おいで…』
でも逃げることは出来ない。
もう逃げたくもないんだ。
無言で彼をそっと抱き、
笑って泣きながら
首を締めあったのが今までで一番幸せな暴力かな。
−fin−
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。