第99話

Sense🦅

428

2020/06/01 15:00

「あ、あ、うん」

『何、マイクテスト？』

さすがの北斗も気づいてくれないか。

昨日の夜風邪かなって思ったら、今日案の定38度。

「違いますー」

『あのさー、今日俺買い物行ってきていい？』

「何で？」

『買いたいものあるから』

私がこんな時でも自分の買いたいもの買いに行くんだ。

北斗らしくないね。

でも、それが北斗らしいのかも。

「わかった。行ってらっしゃい」

いつもの行ってきますのキスも、暗黙の了解で、今日はしなかった。

このまま他の女のところに行くのかな。

風邪をひいているときは最悪なことしか考えれなくなる。

それも風邪のせいで睡魔に襲われ、ベッドでしか寝れない私が、ソファで寝てしまっていた。

ｶﾞﾁｬ

夢か真かわからない状態で、扉が開くのが微かに聞こえた。

『はぁ、やっぱかよ』

気怠そうな声は、確かに北斗だった。

「ほくっ…！」

『お前さぁ、もっと正直に言えないの？』

「へ？」

『熱あんだろ』

「………」

『何年お前の隣にいると思ってんだよ』

「ごめん」

『それにさ、お前咳の仕方がガチでマイクテストみたいだからもうちょっとどうにかしろよ』

「それはどうしょうもできないでしょ！」

『はいはい。もういいから薬飲んで寝てろ』

「え、買ってきてくれたの？」

『じゃあ何の為に買い物行ったんだよ』

「今週のご飯…」

『それもそうだし、…お前が心配だったんだよ』

「ありがとうほく」

『おま、重めぇよ。感染るじゃん』

「………」

『は？寝たのかよ…。早く治せよ。ﾁｭ』

あーもう俺が風邪ひくじゃん。

そう顔を赤くして言ってたら、また私熱上がるよ？

-fin-

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第100話 Fluffy👑💙

る＿🌻

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好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。