俺が中学の時、転校してきた女子が居た。
そいつはとっても厄介で、でもどこか可愛らしかった。
恋をしたとまでは言いにくいけど、それが事実だと、心の何処かで言っている。
『君の名前は?』
「…海人だけど」
『どんな字書くの?へー、海に人かー』
「なんで知ってんの?」
『ノートに書いてある。笑』
まったくおこがましい人だなと最初は思った。
『海好きなの?』
「いや、そこまで」
『そんなの勿体無い。今度海に行こう!』
「君と?!」
『もちろん』
高校最後の夏休みだというのに、ほとんど彼女に振り回されてしまった。
彼女といると、次々と彼女との予定が決まっていく。
でもそれは、決して嫌じゃなかった。
「君は次の予定を早く決めすぎじゃない?」
『うーん。でもそのほうが、生きてるの楽しいって思えるでしょ!予定決まってたほうが、頑張ろうと思うの』
彼女はいつでも前向きだった。
たまに前向きすぎて先生に怒られるくらい。
それでも彼女は前向きだった。
そんなところに、ついつい可愛いなと思ってしまう時もあった。
そんな彼女が、突然消えた。
後から聞くと、彼女には余命が決まっていたらしい。
だから死ぬまでにやりたいことをどんどんやろうとしてたんだとか。
いろいろなお話でよく聞くが、近くに居たらこんなにも虚しく、こんなにも悔しいのだと知った。
こういう些細なお話がなくなったらいいのに。
けど、この些細なお話があったから、最後の高校生活は、とっても楽しかった。
-fin-
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あなたさん、このお話を読んでくれてありがとうございます!
あの、私事なんですけど、昨夜夢に大光が出てきまして、私のお兄ちゃんになってくれました。笑💜
ショッピングモールに出かけて、ゲームセンターで一緒にゲームをしたりしました🎮☺
色々甘えさせてくれました。笑😅
あと、いい匂いでした😂
変態でごめんなさい🙃
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!