『 俺彼女のこと冷めちゃったなー』
そう空を見上げて言うのは、学年で一番モテている彼。
「 何で?彼女はあんなに可愛いじゃん」
彼の彼女も学年で一番の美女と言われている。
『いや、可愛いだけじゃダメじゃん』
そんなことを言うなら今すぐ私が奪ってやりたい。
そう、私はずっと貴方のことが好きだった。
けど、貴方の彼女が貴方のことを好きって知って、友情を優先した。
そこから近づかないようにしてたけど、そんなのやっぱり無理だった。
「…私にすればいいのに…」
『え?なんか言った?』
「ううんなんでもない。笑」
『ねえ、俺と付き合おうよ』
「…え…?」
『だって俺のこと好きなんでしょ?俺気付いてたよ。笑』
「え?!で、でも、北斗には彼女が居るじゃん」
『だって冷めたんだもん』
「…で、でも…私の親友だし、応援しないといけないし…」
『友情優先したんでしょ?今くらい恋優先しなよ』
そう耳元で囁かれるんだから、
「っ、!」
『ねぇ、ほら、いいでしょ?俺と楽しいことしよ』
そう言って彼の部屋へ連れ去られるの。
本当は今日、貴方の彼女と遊ぶ予定だったのに。
なんてね。
−fin−
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。