第62話

Salted sugar👑❤
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2020/04/16 13:09
俺の彼女はいつも塩対応。

彼女より2つ年下なのはわかってるけど、さすがに男だと思ってもらいたい。

けど、あの日の彼女は違った。

まるで調味料を間違えたように、とても砂糖になっていた。

『しょーくん?』

「え」

『え、なに??』

「いや、なんでもない」

『ふーん。ねぇ、構って』

「え、えっと…い、いいよ!おいで」

神には、少し素っ気なくするのがいいと言われてたけど、さすがにこのチャンスは素っ気なくできるはずがない。

『んふふ』

あなたってこんな可愛かったっけ。

俺、何かした?

まるでもう会えないみたい。

「ねえ、あなた?」

『なに?』

「俺、男だよ?」

『…知ってる』

その瞬間、あなたはドキドキしたのか顔を背けた。

だが俺には、少し切なそうな顔のような気もした。

「…ベッド行こ…」

俺達はたくさん愛し合った。

けど、名前を呼ぶ度、果てる度に、彼女は気持ち良さそうに、苦しんでいた。

「…⁉あなた⁉なんで泣いてるの?ごめん強かった?」

『ううんっ。大丈夫。幸せだなって』

決して今まで彼女はそんなことを言わなかった。

それにそんな顔をするのも初めて。

俺は察した。

だからと言って彼女には察したことを伝えなかった。

もしここで言ったら、彼女の思い通りにならなくなる。

俺は最期だら、思う存分愛した。



明方、荷物をあさる音がした。

俺が眠りが浅いことを知っているから、俺が起きないようにと気をつけてまとめている。

最後の最後まで彼女は愛おしかった。

数分経ったあと、彼女は俺に近づいてきた。

『紫耀、ごめんね。紫耀にもう迷惑はかけたくないの。きっと貴方にはもっと良い人が居るはず。幸せになってね。私も幸せになってくる。また何処かで会えるなら、最初に会ったタピオカ屋さんに行こうね。
紫耀の笑顔、大好きだったよ』

彼女は、いつものほっぺではなく、唇にキスを落とした。

しばらく涙を流しながら目を閉じていると、ドアの閉まる音がした。



あなただけ思い通りになるなんて不平等だ。

そう思い、俺はベッドから出て、玄関のドアを開けた。

-fin-

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