第2話

模倣人格
20
2018/04/07 16:48
キリ
キリ
おはようネヴェル。
よく眠れた?
ネヴェル
ネヴェル
本来は我ら機械に睡眠は不要なのだが…
キリ
キリ
…………ネヴェル女の子なんだから口調柔らかくしようよ〜エウレイアみたいな感じでもいいからさ
ネヴェル
ネヴェル
…ならエウレイアを連れてきて
5分後。
エウレイア
エウレイア
で、朝に弱い私を朝に呼び出して何のつもりなの??
若干お怒りの様子でエウレイアはキリに手を引かれながら登場。
しかしネヴェルはエウレイアの機嫌など関係ないという様に要件を言った。
ネヴェル
ネヴェル
当機は口調を変更すべきとキリに言われた。
…口調を模倣させてもらう
キリ
キリ
ついでに人格そのものも、だって
エウレイア
エウレイア
……可能ならやりなさい
それから2分、ネヴェルはたっぷり間を置いてついに口を開いた。
ネヴェル
ネヴェル
模倣完了-したと思う
キリ
キリ
本当?
ネヴェル
ネヴェル
-えぇ、ちゃんとこの通りよ
確かにイントネーションも感情の込め方も完璧だ。
たかが模倣、されど模倣。
ここまで模倣されると気味が悪くなるぐらいだ。
エウレイア
エウレイア
す、凄い…どうして少ししか会話していないのに-
ネヴェル
ネヴェル
とはいえ、わたしもまだ完璧に模倣完了したわけじゃない。
これからも解析させてもらう
エウレイア
エウレイア
え、えぇ
キリ
キリ
ところでネヴェル。
君は魔法は使えるかい?
キリの質問にネヴェルは首をふるふると横に振る。
ネヴェル
ネヴェル
わたしは魔法を使わない機械。否、使えない。
そもそもこことわたしのいた所とで魔力の流れ、造りが違う
キリ
キリ
そっかー。
じゃ昨日の兵装はどうやって起動させてたの??
ネヴェル
ネヴェル
アレは兵装のデータを読み込んで起動させたら終わり。
だから魔力は使わない
キリ
キリ
ふーん…
魔力を使わず自分の機動力だけを使う兵装、ねぇ……。
取り敢えず、とキリは突拍子もないことを言い出す。
キリ
キリ
ボクね、久しぶりに隣国の様子を見てみたいんだ〜。
ネヴェル、ボクについてきてよ
エウレイア
エウレイア
ちょ、キリ……それはこちらで兵士を送ればいいだけよ
キリ
キリ
そうじゃなくてボク自身の目で確かめたいんだ。
いいでしょ?ネヴェルがいるし
-話が読めない。
黙るしかないとネヴェルは俯いたままでいた。
エウレイア
エウレイア
ネヴェルはいいの?
ネヴェル
ネヴェル
え、あ……まぁ、構わない
まだ若干模倣しきれていないのか、ぎこちない返事をひとつしてネヴェルはまた俯いた。
キリ
キリ
決まりだね、よろしく頼むよ【ボクの守護者】

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