5分後。
若干お怒りの様子でエウレイアはキリに手を引かれながら登場。
しかしネヴェルはエウレイアの機嫌など関係ないという様に要件を言った。
それから2分、ネヴェルはたっぷり間を置いてついに口を開いた。
確かにイントネーションも感情の込め方も完璧だ。
たかが模倣、されど模倣。
ここまで模倣されると気味が悪くなるぐらいだ。
キリの質問にネヴェルは首をふるふると横に振る。
魔力を使わず自分の機動力だけを使う兵装、ねぇ……。
取り敢えず、とキリは突拍子もないことを言い出す。
-話が読めない。
黙るしかないとネヴェルは俯いたままでいた。
まだ若干模倣しきれていないのか、ぎこちない返事をひとつしてネヴェルはまた俯いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。