やばい!やっぱり片言になっちゃう!
そういえば、秀兄が風邪をひいているのは一度も見たことがなかった。
前に一度だけ風邪ひいたって聞いたけど…
改めてそう言われると、昨日私が真司郎としたことを思い出してしまった。
私昨日…真司郎と抱きしめ合ったんだよね…
真司郎の手、温かかったな…
…って、何考えてるんだ私!
顔熱くなってきた…
真司郎が心配した顔で私の顔をのぞき込む。
今私絶対顔真っ赤だ。
真司郎が私の頭を撫でた。
私は秀兄のことが好き…
『あなたが秀太くんのこと好きなんも知っとったし』
私なんかより、よっぽど辛いのは真司郎だ。
私は何も言えなかったけど、ただひたすら、泣き叫んだ。
秀太side
ピンポーン。
俺がマスクを付けて、どあを開けると…そこには実彩子がいた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。