私と秀兄は、電車に乗って、家に一番近い遊園地に来た。
あ、もちろん私のリクエストね。
私達は、まずコーヒーカップに乗ることにした。
順番が回ってきたので、向かった。
私達は、思いきり回した。
並んでいる子供達が、爆笑していた。
そして、止まった。
私が少しふらついていると…
秀兄が支えてくれた。
久しぶりに触れられて、少し動揺してしまった。
私達は、義理でも兄妹。
それ以上もそれ以下もない。
その後、私達は、ジェットコースターやバイキングなど、絶叫系を主に乗り尽くしていった。
そして、最後に、観覧車に乗ることになった。
私は、モヤモヤを解消出来ずにいた。
私は秀兄の妹で、秀兄には好きな人がいる。
そのことに、モヤモヤしていた。
なぜか、少し安心した。
モヤモヤが一気に晴れていった。
秀兄が優しく私の頭を撫でた。
そして…私を抱き締めた。
やっぱり、秀兄って優しいな…
この時の私は、秀兄の優しさに惹かれていることを知らなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。