私は、授業が終わって、急いで秀兄の学校に迎えに行った(秀兄とあなたは別の学校)。
キョロキョロまわりを見回していると、秀兄の姿が見えた。
途中で言葉が途切れた。
秀兄は、同級生の女子らしき人と一緒にいる。
秀兄は、私に気づいていないようで、その人とずっと仲良さそうに話している。
普段私に見せない笑顔で。
もしかして、あの人が、秀兄の好きな人…?
考えていると、秀兄が私に気づいた。
さっき秀兄と話していた人も、私の方へ来た。
この人、いい人っぽい。
秀兄が誤魔化すように言う。
私達は、義理の兄妹だということをあまりまわりに言っていない。
だって、言ったら、秀兄のファンに何されるか分からないから。
てか、恋人のフリしてるんじゃなかったっけ?
秀兄に、少し疑わしげな視線を送ると、秀兄が少し慌てて説明した。
可愛い…
可愛い!可愛すぎる!
なんだこの魅力は!
私は、実彩子ちゃんに、見えなくなるまでずっと手を振り続けた。
てか、秀兄ってやっぱり、実彩子ちゃんのこと…
「実彩子」って、呼び捨てしてたし…
なんか、モヤモヤする…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。