莉犬side
るぅちゃんが、もう永くないということを知った
彼が病気だったのは知っていたけど、まさかそんな…、
彼に知らされた時、凄くショックを受けて悲しかった。
正直、泣きそうだった。
でも、
彼を、るぅと君を、笑顔で見送る事にした
そのために、今日は
朝6:00。彼の家に向かった。
俺の家から彼の家までは、そう遠くない。
まぁ、だいたい電車で数十分くらいかな…?
アナウンスが鳴って、電車に乗る。
そして右の扉側の端の席に座る。
ここが俺の指定席。
ここの窓からは少しだけ、海が見えるんだ。
しかも、この時間は海が太陽を反射してキラキラしていてとても綺麗だった。
きっと、るぅちゃんも喜んでくれると思うから
そんな事を考えていたら、いつもの聞き慣れた駅名と共にアナウンスが流れた
さぁ、今日は君をたくさん笑顔にさせてあげるから。
『待っててね?』
と、るぅちゃんにLINEする。
いきなり行くのは、迷惑だろうからね…
え?今更何言ってんだって?
うん。俺も思った(((
さぁ、そんな事を考えているうちに彼の家に着いてしまった。
起きてるかな…?と思いつつ、インターホンを鳴らす
ピーンポーン
…
うん。やっぱり起きてないね。
そりゃ、そうだよねwだってまだ朝の7時なんだしw
まぁ、でもこんな事もあろうかと莉犬さん、持ってきました!!
ガチャ
お、あいたあいた…
うわぁ…さすがるぅちゃん、めっちゃ綺麗。
最近は青い彗星乞食の家にしか行ってなかったから、
るぅちゃんの家がディズニーランドみたいに思えてくるわ。
と、寝室に着いた。
さぁ、カメラの準備もできた!((
ガチャ
ん…?あ、いた〜!
やっば、寝顔くっそ可愛いんだけど?!
え、天使。とりあえず写真を50枚くらい撮って(((
あ、いかんいかん…るぅちゃんを起こさないと…!
な、何なんだこいつはぁぁぁぁあ!!!
え、何?ほんとに人間??控えめに言って神なんだが?!
やっばぁぁぁぁあい!!
この寝起きで舌っ足らずのとことか、
言いながら俺の服の裾を引っ張ってくるとことか
可愛すぎなんですけどぉぉぉお!!
こうなったら…!
ガバッ
タピオカってすげー…
るぅとside
はい…?そんな理由で家に来たの…?
しかもまだ7時じゃん…
ね、いつも思うんだけどさ莉犬ってあざとくない??
だってさ、僕の方が身長高いから必然的に上目遣いになるし、
しかもなんか、表情がころころ変わるんだよw
あ、馬鹿にしてる訳じゃないですからね!?
ほんとですよ!?
あ、そう言えばこの間…っていうかずっと前にころちゃんから貰った服にしよっかな…
ちょっと淡い黄色っぽいニット何だけどさ、可愛くてお気に入りだからたくさん着てたんだけど
最近、着てなかったから着ようかな…
え〜っと、アクセサリーは…
あ、この前さとみ君に貰った濃いピンクっぽいニット帽と、
なーくんから貰った紫と黄色のピアスと、
ジェル君から貰った三日月のネックレス
でいいかな…。
何だか、今日はメンバーに囲まれている気分だなぁ…
おかしいよね、僕メンバーの事なんて大嫌いなのに
ってあぁもう!!今日はせっかく莉犬も来てくれたんだから!!このこと考えるの禁止!!
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莉犬side
うわぁぁぁぁあ!!
るぅちゃんが天使!!あ?そんなの当たり前だろって?
んなこと分かっとるわい!!
…すいません。調子乗りました。
ああぁぁぁあ…るぅちゃん…!!
目が輝いてるよ!!子供みたいに!!てか、
周りの人みんなあなたの事見てますよ!?
大好きって…大好きって!!
ねぇ聞いた!?目の前の天使がさ、ふにゃって笑って大好きって言ってきたんだよ?!
かいしんのいちげきだわぁ…もう莉犬君死んじゃうよ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。