無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第13話

#13
白樹 澪
ただいまっ! ねぇ、父さんはいる?
使用人
いえ、いらっしゃいません。なんでも、『澪から怒鳴られるだろうから暫くは家に帰らない』とのことでして
白樹 澪
嘘でしょ?!
家の玄関で待っててくれていた使用人のお姉さんに早口で尋ねると、既に父さんの会社籠城計画は進んでいたようで、さらりと絶望の底に落とされる一言を喰らった
指先ひとつ動かせない私の手から、重力に逆らうことなく滑らかに落ちていく鞄を華麗にキャッチした使用人のお姉さんは、私に靴を脱ぐよう促す
絶望の壁が目の前に広がっている私は、ノロノロとした手つきで靴に手を伸ばす──としたところで、私の手は誰かに止められた
ふと顔を上げると、嫉妬心が湧き上がるほど整えられた顔が目に入り、私は目をぱちくりさせた
一瞬、ここに蓮がいることが理解出来ず、再びフリーズ。結局、蓮に校門に先回りされてしまい、清水さんの車で一緒に帰ったけど、家まで来るとは思ってなかった
瀬沢 蓮
俺がやるから、少し待ってろ
蓮は、私を玄関の壁際にあった柔らかい椅子に座らせ、妙に慣れた手つきで靴を脱がせて、愛用のスリッパまで履かせてくれた
え、な、なに? お嬢様と執事みたいなやり取り……慣れない!
瀬沢 蓮
ほら、いいぞ
白樹 澪
あ、ありがとう……ってか、そこまでやってくれるの?
瀬沢 蓮
SPは護るだけでなく、日常的な世話もすることもある。今のはぼーっとし過ぎて、危ないと感じたからな
白樹 澪
そ、そう
分かるような、分からないような……靴を脱ぐくらいなんてことないと思うけど
根は優しい……というか、父さんに似てちょっと過保護だ。些細なことでも気遣ってくるし、もしかして、それだけトラウマが深いのかな……とも勘ぐってしまう
瀬沢 蓮
行くぞ
白樹 澪
え、ちょ、待って!
先にスタスタと歩いて行ってしまう蓮に、暫時唖然とする
あ、え?
靴は脱がすけど、一緒には行ってくれないの?!
白樹 澪
過保護なのか、そうじゃないのか……
たはは……と苦笑し、私は少しずつ遠ざかっていく彼を早足で追いかけた
私の後ろをついてくる使用人のお姉さんは、私たちの様子を眺めながらふと呟く
使用人
まあ、まるで昔の光景と同じですね……お姫様に憧れた澪様にしたように
思案していた私は、その