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第10話

#10
成瀬 大和
なるほど、分かったよ。つまり彼の行動に驚いて、つい悲鳴をあげてしまった……ということで間違いないね?
白樹 澪
……そうです。その通りです
未だ夢心地な私は、天を仰ぎながら力のこもらない弱々しい返事をすることしかできなかった
何とか理解してくれたようで内心ほっとしている。これでこれから先も、普通通りの付き合いを続けれそうでなにより
真実と全然違うのに、それがきっかけで疎遠になってしまうなんて嫌だもん。そんなの、絶対寂しくて、辛くて……やるせないに決まってる
成瀬 大和
それにしても、一見クールそうに見えるのに、実は少し抜けてるというか……イメージとはかなり違う性格だ
白樹 澪
まあ、ちょっと天然で変わってますね。今日一日だけで私に相当な悪印象を植え付けるくらいですから
成瀬 大和
……そうか
私がグチグチ零すと、大和先輩はどこか気が緩んだように、僅かに口の端を釣り上げた
あ、あれ? これ、笑われてる? と言うか……苦笑い?
もしかして大和先輩、愚痴とかそういうのって嫌いなタイプだった……?!
白樹 澪
あ、ご、ごめんなさい。大和先輩に愚痴なんて、迷惑ですよね
成瀬 大和
え? そんなことないよ。むしろ、澪ちゃんの胸の内を知れて嬉しいくらいさ。僕だけが知る澪ちゃんの本音……っていうのかな
白樹 澪
それならよかったです……
徐々に尻すぼみになりながら謝ると、速攻で否定され、私はほっとあからさまに胸を撫で下ろした
先程の名残か、間髪入れずに鼓動を刻む心臓を落ち着かせるため、湯気を立つことを忘れた紅茶に手を付ける
ちょっと生ぬるくなった紅茶は、まだ仄かな甘みとすっきりとした後味が残っていて、淹れたてと変わらず美味しかった
ふぅと一息つき、話す前と同じくらい余裕ができた私は、大和先輩の方を見た
その時、ちょうど大和先輩もこちらを見ていたのか、ぱちっと視線がかち合う
凛とした眼差しに、私は一瞬、目を奪われた
成瀬 大和
ああ……そうだ、澪ちゃん
白樹 澪
は、はいっ。なんですか?
成瀬 大和
今年、僕は卒業するだろう? だからその前に、君との思い出が欲しいんだ。今週末、一緒にどこかへ出掛けないかい?
朗らかに笑いながら、大和先輩は私の方に手を差し伸べ、誘いをかける
思ってもみない申し出に、私の心は舞い散る花のように踊った
一緒にお出掛けなんて……もちろん行きたい!
白樹 澪
もちろんです! 確か今週末は何も用事が無かったので、行っても大丈夫だと思います
成瀬 大和
なら良かった。それじゃあ、土曜日の朝からでも──
ぱんっと両手を合わせ、首を縦に振りながら引き受ける私と、嬉々として計画を立てようとする大和先輩
二人の間に流れる高揚した空気を裂くように、ひとつの声が響いた