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第15話

#15
超濃厚な日から一夜明けた、早朝
私は扉を激しく叩く音で目が覚めた
白樹 澪
んぅ……なによぉ
あまりに大きな音だったため嫌でも目が覚めてしまい、起き上がってベッドの上で目をゴシゴシとこする
上手く回らない呂律で悪態をつき、欠伸をしながら髪のひとつも整えずに扉を開けた
開けた先にいたのは、髪型から制服まで、ばっちり準備の整った蓮で
さすがに女子の着替えを覗く趣味は無いようで、蓮は素直に扉を閉めた
白樹 澪
ふぇ……?
瀬沢 蓮
はよ。朝食の時間だ
白樹 澪
あれ、もうそんな時間だっけ?
瀬沢 蓮
じゃないと俺は来ないぞ。今、6時半
白樹 澪
わっ、ありがとう! いますぐ準備するから、ちょっとまってて
瀬沢 蓮
了解
さすがに女子の着替えを覗く趣味は無かったようで、蓮は素直に頷いて扉を閉めた
蓮が来てくれて助かった。いつもなら6時には起きるのに……昨日ので疲れちゃったのかなぁ
寝坊した時は使用人の人が起こしに来てくれるけど、蓮がいるから仕事を任せたのだと思う。その方が効率いいしね
クローゼットを勢いよく開け、辛うじてハンガーにかけた覚えのある制服を手に取る
素早く着替え、脱いだ寝間着をそのハンガーにかけ、顔を洗って髪をといて……と、一通りの身支度を手早く済ませる
一度、全身が映る鏡で身だしなみをチェックし、おかしい所がないことを確認して、私は廊下に出た
白樹 澪
ごめん、おまたせ
瀬沢 蓮
別にいい。食堂に行くぞ
白樹 澪
……うんっ
食堂、と聞いて、私の肩は僅かに跳ねた
い、一緒に食べてくれるとか、ないよね……そっちの方が私としては嬉しいけど、SPの仕事に関しては馬鹿真面目に守るから、多分食べてくれないかなぁ
でも、傍にいたら話せるし、それなら私も寂しくないや
……そうだ。昨日のこと、今のうちに謝っておこう。朝の様子から窺うに、蓮自身はあまり気にしてないみたいだけど、これは私なりのけじめだから
白樹 澪
あ、あのさ、蓮
瀬沢 蓮
どうした?
先陣を切って前を歩いている蓮に声をかけると、彼は首だけこちらに向けて、返事をする
突き返されたらどうしよう、と不安が唐突に押し寄せ、ドキドキと心臓が早鐘を打つ
──いや、言わないと。そうじゃないと、何も始まらない!
白樹 澪
昨日、のことなんだけど……ごめんなさい、たくさん反抗しちゃって。その、蓮がSPなら当たり前なのに、自分勝手になっちゃって
途切れ途切れになりながら謝罪の言葉を述べると、彼は何か意外だったのか足を止めた
ぶつかりそうになって、私も慌ててその場に止まり、彼の返事を静かに待った
暫しの沈黙。ほんの数秒のはずなのに、私にはその時間がとても長く感じられた
早く言って、早く言って……そう心の中で懇願していると、彼はふと振り返り、口を開いた
瀬沢 蓮
別に怒ってない。俺も、澪と先輩の仲に割り込んで、悪かった
彼の口から零された言葉は、私にまとわりついていた鎖を少しずつ溶かしてくれて
ぐぅっと嬉しさが込み上げてきて、私はつい、勢いそのままに蓮に抱きついた
瀬沢 蓮
おわっ?!
白樹 澪
ありがとう〜! 私、もう嫌われたかと思った……
瀬沢 蓮
っんなわけ、ないだろ。俺がお前を嫌いになるとか無いから────────
突然抱きついた私を難なく受け止め、ため息混じりに言う
安心が私を包み込んで。一瞬で昂った感情のせいか、蓮の言葉なんて完全に耳に入ってこなくて
彼の言葉にどんな意味があったのか、全く気づかないままだった