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第6話

#6
白樹 澪
あー、今日の私の運勢大凶ね。確定だよ、確定……うん
瀬沢 蓮
何が大凶だ。何があっても俺が守るが
白樹 澪
……そういうのをさらっと言えるあんたのことだよ。守ってもらう以前に、原因作ってる張本人だと思う
瀬沢 蓮
……どういうことだ?
白樹 澪
あのね……なんでよりによって、私のクラスに転校してくるの?!
朝のホームルームが終わった私は、机の上に腕を重ねて顎を乗せ、顔を伏せていじけていた
隣から聞こえる声に、微妙に怒りを孕んだ生半可な返事をしながら
さっき終わったばかりのショートホームルームにて、私は信じたくもない現実を突きつけられた
私のSPだと突然名乗り、思い出したくもない邂逅を果たした相手、瀬沢蓮が、私のクラスに転校してきた
……いや、分かるよ。父さんが取り計らって一緒のクラスにしたんだろうなっていうのは検討が着く
私としてもそっちの方がありがたいし、寧ろ困らなかっただろうなぁ……さっきの事件があるまではね!
ふと顔を上げて隣を見ると、私の方をじっと見つめてくる瀬沢蓮が
……そんなに見られると、なんかちょっと恥ずかしい
瀬沢 蓮
護衛対象が離れたクラスにいたら護ろうにも護れないだろ
白樹 澪
うん、それは分かる
瀬沢 蓮
ならいいじゃないか
白樹 澪
でも……ちょっと、ね?
瀬沢 蓮
ちょっとってなんだ
白樹 澪
いやぁ……相当浮いてるって、分かって欲しいな?
瀬沢 蓮
浮いてる? 何がだ?
白樹 澪
……ああ
呆れのため息とともに、私は再び現実逃避をするべく突っ伏した
今更引き返せない……でも、なんで来てくれたSPがこの人なの?
急にSPって名乗り出して、何故か知らないけど急にタメ口で、そして女心のひとつも分かってなさそうな人だよ?!
あまり目立ちたくない一心でやって来てたのに……逆に悪目立ちさが増しそう。もう悲しくなってくる
現に、いきなり来た転校生が、常日頃から浮いてる私と話してるシチュエーションが出来上がってるものだから……どうしたって目立っちゃうよ
これだから、SPには断固反対だったんだ
白樹 澪
っていうか……なんて呼べばいい?
今からずっと一緒にいるんでしょ? 呼び方、ちゃんと決めておきたいんだけど
顔は伏せたまま彼に問いかけると、間髪入れずに答えが返ってきた
瀬沢 蓮
蓮。蓮でいい
白樹 澪
呼び捨てでいいの?
瀬沢 蓮
むしろ、そっちの方が落ち着く
白樹 澪
ああ、うん……わかった。私のことはどうとでも呼んで。上下関係とか気にしないし
これは雇い主側として悪いかな、とは思うけど、私が気にしてないならいいでしょ。仮に呼び捨てでも問題なし
なんて呼ぶんだろう、と少し気になりながらも待つ
自分が呼び捨てされることは即決したのに、何故か私の呼び方には一向に答えようとしない彼──蓮が気になり、私はこっそりと腕の隙間から様子を窺う
視界に映ったのは、私をじっと見つめる蓮の姿
まるで何かを探し求めるかのような、そんな熱意を感じる視線に、私は思わず息を飲む
白樹 澪
(じろじろ見て……どうしたんだろ)
黙ったまま、静かにその視線を受け止めていると、彼は我に返ったように目を瞬かせ、そしておもむろに口を開く
瀬沢 蓮
なら……澪、で
白樹 澪
ん。これからよろしく、SPさん
瀬沢 蓮
いや、蓮って……
白樹 澪
冗談だって。蓮……これでいいんだよね?
瀬沢 蓮
──っ
ぱっと顔を上げ、自然と上がっていく口角そのままに笑いかける
さっきの腹いせとばかりにからかうと、冷静沈着な性格かと思っていた蓮は不意に目を泳がせ、明らかに狼狽えていた
予想外の反応に、私は驚きを隠せない
さっきから思ってたけど……蓮って、クールというか、あまり動じないように見えて、実は弄ばれやすい気質だなぁ
──ちょっと楽しいかも
白樹 澪
言っとくけど、私、SP付けるのには反対だから。付きっきりとか言語道断なの。せめてそこは分かって
瀬沢 蓮
万が一を考え、行動するのが俺の役目だ……もう、危険な思いはさせないからな
白樹 澪
人の話聞いてた……? 全く質問の返答になってないけど
はぁ、と重いため息をつき、私は頬杖を着いて窓の外を見やる
先が思いやられるな……そう憂いていると、ふと、透明なガラスに彼の顔が映った
ガラス越しに反射して見える彼の顔は──どこか懐かしい気がした