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第24話

#24
白樹 澪
そっか。母さんたちが……
胸の前でぎゅっと手を握りしめて、私は頷く
誘拐にあったこと。それを助けてくれたのが蓮だった
蓮は私の命の恩人で、そして唯一無二の友達だった……
それを忘れるなんて、私はなんて馬鹿なんだろう。正真正銘の馬鹿だ
瀬沢 蓮
今年の春、やっと許可が降りた。できるだけ素性を隠した上で……っていう条件で、SPを務める。俺、それなりに強くなったんだ
白樹 澪
うん。わかるよ……さっきの見てたら誰だってわかるよ
瀬沢 蓮
……って言うか、お前も少しは気づけよ。あの生徒会長からの好意に
白樹 澪
へ? 好意?
瀬沢 蓮
……はぁ。昔から鈍感なところは変わらないな
懐かしむような空気を醸しながら、蓮は呆れたように微笑む
ずっと私の心に繋がれていた鎖が、音を立てて弾け飛んだような気がする
上手く嵌らなかったパズルのピースが、蓮の話を聞いていると、今までのが嘘かのように綺麗に嵌っていくのがわかった
私が初対面で違和感を感じたのは、心の奥底に眠ってた幼い蓮の記憶と、今の蓮との雰囲気が全く違ったからで
……そういえば、あの時手の甲にキスしたのも、なにかあるのかな
白樹 澪
ねぇ、蓮
瀬沢 蓮
ん?
白樹 澪
昨日、私の手の甲にキスをしたのも……なにか意味があるの?
瀬沢 蓮
あぁ……あれか
ちょっと恥ずかしかったのか、手を首の後ろに回し、地面に視線を釘付けにさせる蓮。彼を見ているとさらに気になって、私は蓮の方に歩み寄る
そして、私はあの日されたように、今日のように、ゆっくりと手を蓮に差し伸べる
白樹 澪
教えてよ、気になるから
にっこりと笑いかけると、蓮は根負けしたようにため息をつき、そしてその場に膝まづく
まるでそれは、本物の姫と騎士のようなシチュエーションで──
瀬沢 蓮
御伽噺のお姫様に憧れたお前が好きだったんだ。手の甲にキスをするのが、な
優しく私の手を掴んだ蓮は、もう一度静かに、私の手の甲に口付けをする
甘い音ともに触れたその場所には、どこか懐かしい感触が残っていて
瀬沢 蓮
俺は……10年前から好きだったよ。澪
白樹 澪
……それはちょっと、ずるいと思う
瀬沢 蓮
昔の澪は、『俺と結婚する』ってうるさかった。でもその澪はもういない……だから、俺はもう一度、お前を振り向かせると誓ったんだ
ふっと、自嘲ともとれる笑いを零し、蓮は私の手を両手で包み込む
その悲しげな目が、私の心を揺るがせた
あの10年前から、蓮は私のことを想っててくれたんだ。私は忘れてしまったのに、それでもめげずに、ずっと
どれだけ私のためにしてくれたのかがすごく分かる。今、身に染みて実感してるから
──だって私は、たったこれだけの時間で、もう君に惹かれてしまったんだもの