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第20話

#20
成瀬 大和
なるほど。澪ちゃんは知らなかったのか
白樹 澪
大和先輩は知ってたんですか?
成瀬 大和
かなり有名だよ。君が入学した頃からあったしね
白樹 澪
うわぁ……
一年以上前からそんな風に呼ばれていたと知り、私はげんなりとため息をつく
というか、大和先輩は知ってたんだ。なら自分が王子って呼ばれてるのも知ってるのかな
いつものごとく、優雅にカモミールティーを啜る大和先輩に、さらに質問を重ねた
白樹 澪
あの、つかぬ事お伺いしますが、大和先輩って、自分が『王子』って言われてることも知ってるんですか?
成瀬 大和
ああ……知ってるよ。全然似合わないよね
苦笑いで肯定する大和先輩に、私は心の中で呟く
大和先輩ほど、『王子』という名前が似合う人はこの世にいないだろうな、と
現に、その洗練された所作は王子そのもの。物腰も柔らかく、知的で穏やかな雰囲気がさらに彼の存在感を高めてる
……私はそんな人と肩を並ばされてるのね。おこがましいったらありません
成瀬 大和
というか、今まで知らなかった澪ちゃんが今頃どうして?
白樹 澪
いやー……実はさっき、クラスの女子たちから持てはやされまして
成瀬 大和
……それはどういう?
白樹 澪
実は昨日、蓮が転校してきたことを機に色々あって。
今日は私は大和先輩と蓮、どっちを選ぶのかと迫られまして……あと、御伽噺の真似事もさせられましたよ
遠い目をしながら語る私を、大和先輩は言葉一つ言わずに聞いていた
……あ、あれ? 何も言ってこない?
やっぱり、相手が私じゃ嫌……だよね
しくじった、と思い、私は慌てて両手を振る
白樹 澪
い、今のは忘れてください! 戯言なので
成瀬 大和
……澪ちゃんはどっちを選んだの?
白樹 澪
へ?
成瀬 大和
僕と瀬沢くん、どっち?
白樹 澪
えーと……
あまりにも真に迫った表情で私を見るものだから、思わず答えに詰まってしまう
これって、正直言っちゃっていいんだろうか。まあ、相手が私なんて……嬉しくないだろうし、いいかな
白樹 澪
その時は、流れで蓮を──
人差し指を唇に添えながらそう零した時
私の視界がぐるりと回り、背中に柔らかな衝撃が走った
ぼすっと、鈍い摩擦音がして、私はようやく、自分の状況を理解した
ソファの座る場所を背にして、私は横になっている
そして、大和先輩は私の頭のすぐ横に手を付き、覆い被さるような姿勢を取っていた